すべてのトレーダーが優れたトレードプランを持つべきだ。
トレーダーが持ちうる最悪の習慣のひとつは、
衝動的に、ガイドラインなしで取引することである。
トレードプランを作ることに時間をかけるトレーダーは
成功する可能性がより高くなるが、計画を立てても
悪い習慣を構築してしまうことはある。
プランをつねに壁に貼っていても、衝動的な取引をしてしまう。
勝ちトレードをあまりにも早く手仕舞ったり、自分のプランよりも損失を拡大させることがある。
この記事では悪い取引習慣をどのように変えることができるかについて、
自分が成功と失敗をどのように見ているかを検証するプロセス、
これらの見解に基づいて自分に与えている報酬と罰を見直すプロセスについて説明していこう。
成功を定義する
悪い取引習慣を打破するためには各トレードの成功や失敗を、
単にお金を得たか失ったかだけではなくトレードプランに
忠実であったかどうかで判断する必要がある。
悪いトレード(つまり、トレードプランにはない規律違反の取引)をして利益を上げたら、
あなたはそれを失敗として見る必要があり、自分を祝福することはできない。
自分を褒めることによって、間違って行われたことに対する小さな報酬を提供していることになる。
また、良いトレード(プランに完全に沿ったもの)をしてその上でお金を失うなら、
プランに従ったのでそれを成功と見る必要がある。
たとえプランに忠実だったとしても、自分を責めることはあり得る話だ。
言い換えれば、ぼくたちはするべきことをしたという事について自分を罰するのだ!
あなたが損失を被ったなら、プランをより収益性の高いものに
できるかどうかを分析できる。
しかし規律のない取引で利益をあげ自分に報酬を与えていたら、
基本的にあなたの取引計画に合わない取引をするために自分自身を調整しているので、
習慣を変えることはとても難しくなるだろう。
プランに沿ったトレードで損失を出したからといって自分を罰していたら、
プランに忠実でいることなどできなくなってしまう。
だからあなたは自分に正直になり、規律のないトレードを受け入れてはならないのだ。
たとえそれがどれだけ利益をもたらすものであったとしても。
含み損を消して利益に変えるためだけに、
大きな含み損をかかえたトレードを保持し続けるような悪いトレードで
お金を稼いでしまうことは、トレーダーに起こることで最悪のことのひとつだ。
直感には反するかもしれないが、これは完全に間違った成功体験となり
あとになって必ずあなたに牙をむく。
このように取引することで、次回に含み損のポジションを
持っているときに戻ってくると信じてしまう。
残念ながら、たった一度でも戻ってこないという事態になれば、
あなたの口座は吹き飛ぶことになる。
また、昨日は注意を払わずにマーケットに飛び込んだことが功を奏したので、
今日もうまくいくかもしれないと誤って考えることもある。
これはマーケットでプレイする方法としては危険だ。
成功と失敗の見方を変える
トレーダーは選択的記憶を拭い去らなくてはならない。
これはトレードプランに従わず損失をもたらした時を忘れずに、
そういった自発的なトレードを失敗とみなす必要があることを意味する。
プランに従わなかったことに対して軽く罰を科すことによって、
考え抜かれたプランに忠実でないことは長期的にみると
採算が合わないことに早晩気がつくだろう。
プランをしっかりと遵守したトレードをしたときは、
たとえお金を失ったとしても一人悦に入るべきだ。
あなたはいつでもトレードプランを調整することができるが、
成功と失敗、報酬と罰を分析するための現在の誤ったプロセスが染み付くほど、
時間とともに変えることは難しくなる。
すべてのトレーダーが変わることができるが、
あなたの悪い習慣を変え始めるのにベストなときは今である。
報酬と罰の適用
個人的にどのように成功と失敗を定義しているかを理解したら、
これらの習慣をできるだけ早く変えるために報酬と罰を適用する必要がある。
はじめのステップは、内なる会話を変えることだ。
プラン通りに行動したときは自分を褒め、
そうでないときはたとえ勝ちトレードでも褒めてはならない。
次のステップには、外部報酬と罰が含まれます。
しばしば、ぼくたちはついていない日に自分を甘やかしてしまう。
トレードプランに従わなかったことが原因でついてない日が起こってはならない。
だからプランに忠実なときには報酬を与えるべきだし、
従っていないときは報酬を差し控える(罰の一種)べきだ。
この記事における「失敗」という言葉は、ひとつひとつのトレードで
お金を稼ぐことがもっとも重要なことではないと示すために使われている。
この記事における「成功」は、自分のために計画したトレードプランを
しっかりと実行することだと見なされるべきだ。
成功の報酬は、ぼくたちにこの行動を続けるよう促すはずである。
プランに従わなかったことに対する罰は、ネガティブでも自己破壊的でもないのだ。
まとめ
規律を守っているかどうかについて正直になることで、
あなたの悪い習慣を打破しよう。
ただ単にラッキーだったかもしれないのに、
良いトレードをしたと思い込んで自分を欺いてはいけない。
つねによく練られたトレードプランに忠実でいよう。
損益にかかわらずトレードプランに従うことを成功と定義し、
それを実行することに報酬を与えよう。
損益にかかわらずプランに従わないでおこうという内なる会話を
失敗として定義し、何らかの罰を与えよう。
報酬や罰を強化することで、変化を早く起こすことができる。