「ウォール街を占拠せよ」運動は、
世界中の所得格差に焦点を当てた。
長いあいだ抗議者はウォールストリートを非難してきたが、
問題は完全には消え去っていない。
たしかに、持つものと持たざるものの差は
これまで以上に広がっている。
クレディ・スイスのGlobal Wealth Report 2018によると、
成人の上位1%が世帯の富の47%以上を占めている。
これは興味深い質問を提起する:
世界で1%というのは正確には誰になるのか?
驚くべき答え:
もしあなたが日本人なら、とくに裕福である必要はない。
収入によるランキング
世界の所得格差に関する気づきを与えてくれる
Global Rich Listというサイトによれば、3万2,400ドルの年収があれば
あなたは世界の上位1%の基準を満たしていることになる。
3万2,400ドルというのは、
・366万円
・2万8,360ユーロ
・240万ルピー
・22万4,969元
だ。
もしあなたが会計士、看護師、学校の先生...etcであれば、
お祝いだ。
これらのキャリアの平均賃金は、世界のトップ1%に収まる。
驚くことではないが、世界一の経済大国アメリカだけで
1%に入ろうとするとはるかに高い収入が必要だ。
経済政策研究所の2018年の報告書によると、
基準を満たすには年収42万1,926ドル(約4,775万円)稼ぐ必要がある。
富によるランキング
収入だけでなく、あなたが所有している富の面で
世界トップ1%に達するためには、財産から投資価値までのすべてを含む
純資産で77万ドルを持っていなければならない。
これはおおよそ次のようになる:
・8,714万円
・67万1,451ユーロ
・5,630万ルピー
・530万元
経済協力開発機構によると、アメリカ人は世帯収入では
世界第4位と高いが、中央値はあまり高くない。
実際、クレディ・スイスのGlobal Wealth Databookは
この観点では米国をなんと25位にランクしている。
この格差にはいくつかの理由がある。
1つは、米国の消費者がヨーロッパの消費者よりも
クレジット(借金)に頼っている傾向があることだ。
クレディ・スイスのデータによると、
典型的なアメリカ成人は6万205ドル(約681万円)の
借金やローンを背負っている。
そして最新のデータは、米国における巨額かつ増えつづける
所得格差を明らかにしている:
2017年の論文では、経済学者のエドワード・N・ウォルフが
アメリカの上位1%の世帯が下位90%の世帯の富の合計よりも
多くを所有しているということをFRBのデータを用いて示した。
ソース:ワシントン・ポスト
貧困の広がり
もちろん、極端な貧困層にとってこの世界1%の壁はとてつもなく高い。
たとえばクレディ・スイスのレポートによると、
インドの平均的な成人は合計で7,024ドル(約79万円)の富を所有している。
アフリカの平均的な成人は4,138ドル(約46万円)でさらに低くなっている。
これをアメリカの成人の平均40万3,974ドル(約4,566万円)や
ヨーロッパの成人の平均14万4,903ドル(約1,638万円)と比べてみてほしい。
いまや「平均的な富」という言葉が誤解を招く可能性があることは事実だ。
特に米国のように資産が超富裕層に偏っている国ではそうだ。
しかし、米国の富の中央値61,667ドル(約697万円)
(国民の半数がこれ以上持ち、残り半数がこれより少ない)であっても、
地球のほかをはるかに上回っているのだ。
まとめ
グローバルな収入における「上位1%」という言葉は
特別な集団のように聞こえるかもしれないが、
かなり多くの日本人が所属していることになる。
これは地球を共有している大多数の途上国にくらべて、
先進国がいかに繁栄しているのかを思い起こさせるものである。