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トレードに真剣に向き合い、スキルとして確立するためにはどうしたらいいのか?を読者の皆さんと一緒に考えていくブログです。 ぼくのトレードひとり反省会もやってます。

優れた投資家は優れたビジネスマンであり、優れたビジネスマンは優れた投資家である。

カテゴリ: 経済

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以前執筆した世界中が借金漬けになっているという記事に多くのメッセージをいただいた。

もとは都市部に住んでいたが僻地や離島、自然豊かな森の中に住居を構えて、今の世界の終わり(審判の日)に備えている人々がいる。

彼らのことを「プレッパーズ(世界の滅亡に備える人々)」という。

プレッパーズの人口は増加の一途を辿っているが、日本の中だけで暮らしている以上、プレッパーズの用心深さは病的で異常だと思うだろう。

しかし彼らは決して精神異常でもなければ過激派でもないのだ。

今回は、迫っている経済崩壊へ備えるためにあなたができる実践的なステップを書いていこう。



1. 負債から脱出しておく

何はともあれこれは必ず早期達成すべきミッションだ。

「借り手は貸し手の下僕である」という俚諺はこの上ないほどに真実であり、これは個人間だけでなく国家間についても言えることだ。

世界経済の崩壊から身を守るための秘訣は、自分や家族をできる限り独立した存在にしておくことである。

あなたがなんらかの負債(借金やローン)を抱えている限り、詐欺的ともいえる金融システムから完全に自由であるとはいえない。

いざ事態が悪くなり世の中が深刻なセンチメントに陥ると、銀行などの債権者はそれまでの態度から豹変する。

そしてあなたを追いかけまわす厄介な存在になることは、バブル崩壊後の貸しはがしで多くの経営者が経験したことだ。


2. 複数の収入源を確保する

米国ではIRA(個人退職年金)の誕生に伴い、もはや雇用の保障というものは存在しない。
これは日本の現状をみてもそうだろう。

もしあなたが日本は世界とは違う、自分の雇用は保障されており安泰だと考えていたり、生活や人生設計に必要な収入の100%を本業のみに依存しているなら、それは良い戦略とはいえない。

副収入を得る方法は何千通りもある。

絶対に避けるべきなのは、1つのかごに人生のすべてを盛り込んでしまうことだ。

組織に忠誠を尽くすあまり、「商社は永遠だ!」と叫びながらビルから飛び降りたエリート商社マンの話がある。
本当のところ、彼はエリートだったのだろうか?

今は優秀な働き手であったとしても、経済が崩壊して不運にも職を失ったときに、あなたは貧困に転落するか、それとも大丈夫か。

本業の1/3でも別の収入源を確保しておければ変わってくる。

冷静さを失わなければ、必ず打開策を講じることができる。

もしあなたが現状でどんなことができるのかについてサポートが必要なら、遠慮なくコンタクトしてほしい。


3. 支出を減らす

先進国における多くの人が不毛なラットレースに別れを告げて、それまでの生活水準の1/4にしてでも楽しく暮らせる方法を見つけ出している。

それは可能なのだ。

肝心なのは、今から支出を抑えた生活に慣れておくということである。

トレンドとして将来的には今よりますます厳しくなることはまず間違いないので、無駄なものは徹底的に省いて今より少ない金額で生活することを学んでいこう。

しかしぼくが節約するべきではないと考えるのは、みずからの人的資本に対する投資である。
すなわち、スキル、知識、健康だ。

実際には生活が厳しくなるとこれらを真っ先に削る人が多いが、「貧すれば鈍する」という言葉を忘れないでほしい。


4. 自給自足の方法を学ぶ

先進国の人々の大部分の食生活は、スーパーマーケットに足を運ぶことに完全に依存している。

しかし日本円の価値が劇的に下落し、その購買力が失われてしまったとき、1,000円を支払っても腹を満たせるだけのパンを買えないとなればどうなってしまうだろうか。

あなたが自身や家族の食べ物を育てる方法を学ぶなら、たとえそれが小さな庭であっても、タダ同然で借りた農地であっても、食料価格の高騰とは距離を置いていられる。


5. 確実な水の供給を確保する

世界中で水がどんどん貴重になっている。
水はこれからすぐに「もっともホットな」コモディティーになるだろう。

最近は米国でさえ、水不足のニュースが多くなっている。

未来に向かって進むにつれ、あなたと家族は信頼できる水源を持つことが不可欠になっていく。

雨水を飲料水にする方法を学んだ人もいれば、家族に水を供給するために大気造水機のような先端技術を使っている人もいる。

あなたが何をするにしても、今後何年もの間まともな水源なしでいることのないようにしよう。


6. 土地を買う

土地の値段は場所によってまちまちだ。

もし地価が低迷しているときに買うことができれば、日本円が暴落したとき(つまりインフレ)に起こる住宅価格の高騰からあなたを守ってくれるだろう。

日本の場合は不動産事情がやや複雑だが、少なくとも土地は現物なので、紙幣や株式のように価値がゼロになることはない。


7. 現物を買う

現物といえば、なにを差し置いてもまずは金(ゴールド)と銀(シルバー)だ。

ペーパーアセットがバブル状態にあるといわれて久しいにもかかわらず、ほとんどの人が日本紙幣を金や銀などの現物に換えていないことには驚きを隠せない。

現在、金、銀ともに手ごろな価格になってきている。

「まずはじめに自分に支払う」ことを始め、この種の資産を加えはじめたほうがよい。

金銀レシオを学び始めるのもよいだろう。


8. 部分的にグリッドをオフにする

ますます多くの人がオフ・グリッド生活を目指している。

つまり、電力会社の電気網から外れることをいう。

これが本質的に意味するところは
公益事業会社から独立して生活するということだ。

「オフ・グリッド」にすることで、将来的に急激に上昇するエネルギー価格から身を守ることができる。

部分的にでも自身でエネルギーを生産することができれば、隣人が公共料金が上がって生活を圧迫していると苦しんでいるときにも有益なアドバイスをしてあげることができる。


9. 保存食品、生活消耗品を蓄える

保存品は確実に価値が上がるひとつの投資となる。

とはいえ、物価が途方もなく高くなったときに転売して儲けよう、という話ではない。

物価が安定しているうちに保存品を余分に買っておいて、インフレ時に買わなくてもいいようにしておくということだ。

将来、これらの値段が2倍、3倍(あるいは10倍)となってしまう前に買い足しておくことは、「ひと財産」となるかもしれない。

あなたのお金が今よりもストレッチすることは決してないからだ。


10. より強い人間関係を築く

日本はとても排他的なコミュニティーになってしまっている。

「個」がなによりも優先され、生身の人間関係がますます希薄になりつつある。

ぼくたちはまるで誰も、何も必要ではないかのように振舞っている。

しかし社会経済的な崩壊が現実になるにつれて、お互いを強く必要とするようになる。

今、家族や友人と強い信頼関係を築いておこう。

困難なシチュエーションになったときに助け合うことができるように。


11. 積極的に自分を教育し続け、状況に柔軟に対応できるようにする

世界が安定しているときは物事はほとんど変わらないため、情報に通じていることはそれほど大切ではないかもしれない。

しかし事態が急激に変化しているときは、なにをするべきか知るために、教育を受け、本当の情報を得ることが不可欠となる。

これからの時代には、ぼくたち全員が固定概念に囚われず、柔軟であることが求められるようになる。

そのために常日頃からスキルを磨いておかなければならない。

そうすれば、状況が厳しくなったときにベストを尽くし、適応することができる。



とめ

脅威に先がけて学ぶことは賢い戦略だ。

先んじて準備をすることができるほど、あなたの家族や愛する人たちは社会経済的な嵐の対極で進んでいくことができる。

しかし日本では予防医学という考え方がなかなか根付かないなど、事態に先がけて動くということが少々苦手なのかもしれない。

人間は認知的負荷がかかりすぎると、みずからの頭で思考することを放棄してしまいがちだ。

しかしそれでは経済的サバイバルなどは到底叶わぬ夢となってしまう。

小さな一歩を踏み出すことに集中し、毎日前進するために小さなことをしていこう。

試合に勝つためには一本のホームランではなく、たくさんのヒットを積み重ねればよいのだ。

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企業価値が10億ドルを超えると評価されているテック企業のIPOは、
ちょっとしたブームのような様相を呈している。

今年、「ユニコーン」と呼ばれるこれらの企業のIPO(新規株式公開)の数は
2000年のドットコム・バブル以来最大である38に急増した。

ウォール・ストリート・ジャーナルのIPO市場ウォッチャーによると、
より弱気相場の警告サインが点灯中の2019年においてもこの数はさらに増える可能性が高い。

PwCの米国IPOサービスリーダーであるデビッド・エスリッジ氏は、次のように述べている。

「問題は、"2019年はどうなんだ"である。根性と勇気がいるが、私は困難なマーケットであっても多くの企業が株式公開に踏み切るという決定を下すと思っている。」

以下は4つの超ビッグネーム、その業界、およびその評価額だ。

個人的にはUber、Airbnb、Slackにはお世話になりっぱなしである。


2019年の巨大テック企業IPO

Uber 運輸 1,200億ドル

Airbnb サービス 310億ドル

Lyft 運輸 150億ドル

Slack ソフトウェア 70億ドル



IPOが予定されている市場ディスラプター

今年のIPO市場は、10億ドルから50億ドルの間で評価される

あまり有名でないソフトウェア会社が多数派を占めていた。

前出のデビッド氏は

「人々はこれらの話をよく知らない。なぜならこれらの会社のアプリは多くの人のスマホにインストールされている訳ではないからだ。しかしとても安定したペースがあり、これを支える強力なIPO市場があった。」と述べた。

2019年のIPO市場は、ぼくたちにもすでにおなじみの会社が名を連ねそうだ。

IPOを検討していると広く知られている名前には、
ライドシェアリングの競合企業であるウーバー(Uber Technologies Inc.)とリフト(Lyft Inc.)、
職場のコミュニケーションアプリ大手のスラック(Slack Technologies Inc.)と
サービス業界のディスラプター 、エアービーアンドビー(Airbnb)がある。

2019年が今年の記録を破ることができるかどうかは、
予想される上場の前にこの成長企業たちが
どれだけの資金を調達できるかにかかっている。

ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの見積もりによると、
Uberの市場価値は1,200億ドルにも達するという。

アプリ配車サービス業界のパイオニアは、経営陣の混乱や一連のスキャンダルなどの障害にぶつかっているが、IPOは自律走行車や自転車シェアリングなどの新しい市場への参入を助けるだろう。

Uberは主要市場でLyftとの厳しい競争にも直面している。

Uberの第3四半期単独での売上高30億ドルに対し、
Lyftの2017年の売上高は10億ドル以上、企業価値は150億ドルに見積もられている

データストレージ企業のドロップボックス(DBX)は2018年3月に
IPO市場におどり出て、ある程度の成功を収めた。

上場時の同社の90億ドルの評価は、2014年の100億ドルというプライベート評価と一致しなかったが、
株価は最高値から50%下落しているもののIPO価格から2%上昇という状況だ。

ドキュサイン(DOCU)と呼ばれる別のソフトウェア会社は堅実なリターンを投資家にもたらした。

このDTMと電子署名の世界標準プラットフォームは、
株式公開価格29ドルから24日の終値で37.48ドルで推移している。

しかし、ガイダンスの最安値にIPO価格を設定した中国版スポティファイのテンセント・ミュージック(TME)は、投資家の失望を買った。

株価は1株当たり13ドルというIPO価格を下回ることとなった。



2019年に残るリスク

つまずく事となった有名ブランドのテンセントは、2019年における危険信号のひとつだろう。

ドットコム・ブームの最盛期、今と同じように超大型テック企業のIPO数が増えたとき、
結局は多くの企業が苦しんだことを忘れないことが大切だ。

同じようなことが2019年、起こるかもしれない。

今回挙げたユニコーンたちはマーケットがよりボラタイルになるリスク、
そうなることで多くの投資家がハイテク・グロース株から離れ、
よりディフェンシブなバリュー株に移るリスクに等しく直面している。

この天文学的数字は、なにか悪いことが起こる前兆か?




爆発的に増えているアメリカの国家債務は、ついに重大な閾値を超えようとしている。

米国財務省によると、連邦政府の負債はぼくがこの記事を書いている現在21,823,094,510,705.58ドル
となっており、このままのペースでいけば来月に22兆2000億ドルに達する見込みだ。

これは恐ろしい国家危機であるが、何も対策は打たれていない。

2008年1月にバラク・オバマがホワイトハウスに入ったとき、
アメリカには10兆6000億ドルの負債があり、11年未満で11.2兆ドルの新規借入れが行われたことを意味する。

言うまでもなく、10年以上にわたり国家債務に年間平均1兆ドル以上を追加しているということを
理解するために数学の天才である必要はない。

しかし借金に対する飽くなき欲求をコントロールするのではなく、
アメリカ連邦議会は支出を加速してしまっている。

現時点では、この結末がハッピーエンドになるというシナリオはありえない。

ここにきて世界的な金融エリートたちは、新たな金融危機の可能性を声高に語り始めた。

たとえばIMF副議長は「嵐雲が立ち込めている」といっている。


国際通貨基金(IMF)の副議長は「世界の金融システムが次の景気後退への準備ができていないにもかかわらず、新たな世界金融危機の嵐雲が立ち込めてきている」と警告した。

IMFの第1DMDであるデイビッド・リプトンは、最近の世界の銀行システム崩壊から10年以上もの間、「危機回避は不完全である」と述べた。

「私たちは "屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る。" とよく言うものの、皆さんの多くと同じように、私は嵐雲が立ち込めているのが見える。そして危機回避に関する作業が不完全であることを懸念している。」



CNBCによると、ジャネット・イエレンは「我々は次なる金融危機を抱える可能性がある」と警告している。

イエレンはCUNYで討論したところで、「改善したとは思うが、システムに巨大な穴があると思う。新しく発生する問題に対処するためのツールは素晴らしいとはいえない。」と述べた。

彼女は、FRBによっても言及されたレバレッジド・ローンを懸念事項として引用した。

彼女は、規制当局は金融システム全体ではなく、個々の銀行でこうした問題に取り組むことができると述べた。

現在はブルッキングス研究所の特別研究員である元FRB議長は、未完成の規制の議題が残っていると述べた。

「我々が本来するべき方法で問題に取り組んでいるのかどうかは確信が持てないが、そこには穴があり、規制上の抵抗がある。だから私は新たな金融危機が起こるかもしれないと心配している。」



現時点での真実は、次なる危機はとても近くに迫っており、
誰もがそれを見ることができるはずであるということだ。

では何ができるのだろうか?

テキサスのヘッジファンドマネージャー、カイル・バス氏は、
新たなインフラ支出で1兆ドルが望ましいと言っている

魅力的に聞こえはするが、もうすでに毎年アメリカは国家債務に1兆ドル以上を追加している。

今にも崩れそうなインフラを直すために1兆ドルを費やすとして、
そのお金は一体どこからやってくるのか?

アメリカは、もたらされるよりもはるかに多くのお金を費やしてきており、
かなり長い間それが経済のテコ入れをしてきた。

しかし長期的な問題を次第に悪化させており、
このポンジー・スキームをより長く維持する方法はもう残されていない。

そして大問題は国家債務だけではない。

米国の消費者は13兆ドル以上の借金を抱えており、
新たな報告によるとクレジットカードの借り入れさらに高まっている


最新の調査によると、アメリカ人のクレジットカードの負債残高は記録的だという。

平均的なアメリカ家族は、昨年の6081ドルと比較してリボルビングの借金を約7000ドル抱えている。

金利が上がるにつれて、これらの借金に対応する毎月の支払いも上がる。

今年の報告書はリボルビング債務に焦点を当てており、これは財政難における「より正確な指標」であるためだ、とNerdWalletはまとめた

NerdWalletのクレジットカード専門家のキンバリー・パーマー氏は、「クレジットカードの借金は、非常に多くのアメリカ人のファイナンス上の汚点であり、全くとは言わないまでも簡単に洗い流すことはできない。高い金利と収支を上回る経費が相まって、一部の世帯では負債を完済することができず、実際には引き続き増加する。」と指摘した。



社会は「安い借金」の絶対的な中毒者になってしまっているが、
今や金利が上昇しており、財政的に大きな問題を引き起こしてる。

世界は今直面している債務バブルのようなものに一度も直面したことがなく、
その借金の大部分が金利が低いときに蓄積された。

この時点でシステムは断じて高金利に対処することができず、
マイケル・ペント氏よると「これまでに見たことのない世界不況が起ころうとしている...


ペント氏は「残念ながら、これまでに一度も見たことのない世界的な不況が起ころうとしている。こんなにも多くの人為的に押し下げられた金利で成り立つ負債を抱えたことがないためだ。」

「中央銀行の思いあがりや傲慢さを取り除くには遅すぎるし、彼らは何のおとがめもなく乗り越えられると考えている。完全に間違っている。中央銀行というのはつねに景気後退を引き起こしてきた。我々は世界的な不況に向かっている。」と述べた。




とめ

現況にふさわしくない高い水準の生活を享受するためにローンや借金をすると、
短期的には利点があるかもしれないが、長期的に待っているのは痛みだ

何十年もの間、世界は将来から盗んで現在をもっと楽しくするという選択をとってきた。

しかし今、ぼくたちは自分たちの落ち度によって困った状態に陥ろうとしている。

もしもっと賢明な選択をしていれば状況は違っていたかもしれないが、
残念ながらそれは起こらなかった。

ぼくは何もここで、マスメディアのようにネガティブなことを殊更に
強調してあなたを恐怖に陥れようとしているのではない。

物ごとにはマイナス側面もあれば、必ずプラスの側面もある。

賢明なあなたなら、この機会で資産を築くことができるのだ。

日本でも盛り上がりを見せている、恐怖をトレードしてみよう


source : TradingView


source : TradingView



日本でも一部のトレーダーに人気のVIXだが、コツを覚えるとあなたの収益機会を向上させてくれる。

最近のVIXチャートが興味深い形をしているので見ておこう。

VIX(
ボラティリティ指数)は、1993年にシカゴ・オプション取引所(CBOE)によって考案された。

別名「恐怖指数」とも呼ばれ、これにはもっともな理由がある。

S&P500のオプション取引の値動きを算出・測定することによって、
本質的に投資家が市場価格の変動についてどのように考えているか(恐れているか)を割り出す。

一般的には投資家が大きな価格変動に不安になると、オプションはより高価になりVIXは一気に上昇する。

投資家のマインドが穏やかになると、逆のことが起こる。

オプションは安くなり、VIXは低下する。
 



ルマゲドン

今年2月、ボルマゲドンと呼ばれるボラティリティの急騰をベースとしたイベントが、
多くの投資家とファンドを粉砕した。

VXXUVXY(レバレッジのかかったVIX)、SVXY(逆VIX)を含む
VIXの動きに基づくETFやETN
は、マーケットのボラティリティが急上昇したときに
大きな価格変動を
もたらした。

VIX自体は直接取引することができないため、
これらのボラティリティ・ビークルは依然としてたくさん取引されている。



度でも起こるVIXの上昇

上のチャートは2018年のVIXに200SMAを表示させ、2月のモンスター級の急上昇を示した。

しかし今もっと大切なことは、この2ヶ月間にVIXレベルが
過去平均と比べて高くなっていることだ。

チャートに示されているように10月上旬、S&P500が過去最高値から暴落をしたときに
VIXは上昇を見せはじめた。

そのとき以来、VIXは200日移動平均を上回って推移しており、
市場が少し落ち着いてきたタイミングで下落していき、16のあたりで反発を見せている。

VIXの値というのは通常、かなり迅速に平均に戻っていく(今回の場合、下落)。

しかし投資家が大きな市場調整や差し迫った弱気相場を恐れている限り、
VIXでの収益機会が何度でも現れるだろう。

投資家 になるなら知っておきたい 通貨市場 と 国際貿易 hspace=




グローバル経済は第二次世界大戦の終結以来、
事実上途切れることなく続いているトレンドであり、
世界中で製品やサービスの流動化を促している。

このシステムの立案者たちが
1944年7月にブレトンウッズのリゾートで会合したときに
どうなるか想像できていた可能性は低いが、
彼らが生みだしたインフラの多くは、今日のグローバル市場に関係し続けている。

「ブレトンウッズ」という名前でさえ
中国やほかの急速に発展している経済と、
アメリカとの関係を特徴とするモダンな装いで生き続けている。

グローバルな貿易と資本の流れの現代史、
その基礎となる経済原則、
そしてこれらの発展が今でも重要である理由について見ていこう。



じまり

1944年にブレトンウッズ会議に出席した45の連合国の代表団は、
20世紀の後半が前半のようにならないよう保証することを決めた。

前半というのはおもに壊滅的な戦争と
世界的な経済恐慌から成っていた。

世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、世界的な経済の安定を保証する存在だ。

国境を越えた貿易のための公正で秩序ある市場を促すために、
この会議はブレトンウッズ体制を生み出した。

これは金本位制と準備通貨制の金為替本位制度であり、
事実上のグローバル準備通貨として米ドルを設定した。

中央銀行は1オンスあたり35ドルの固定レートで
金とドルを交換することができる。

当時、米国は世界の金貨幣埋蔵量の65%以上を保持し、
このためシステムの中心に位置しており、
周辺にはヨーロッパと日本という復興国があった。



べてをひとつに

しばらくの間、これはWin-Winのように思われた。

戦後の廃墟となっていたドイツや日本などの国は、
成長する輸出市場を背後に経済を再建した。

米国では豊かになる人が増え、
海外市場からの製品群に対する需要が増加した。

フォルクスワーゲン、ソニーやフィリップスは、
おなじみの名前となった。

予想通り米国の輸入は増加し、貿易赤字も拡大した。

教科書どおりの経済理論では、供給と需要という市場の力学は
貿易赤字と貿易黒字の自然な是正機能としてはたらく。

しかしブレトンウッズ体制における現実世界では、
自然市場の力は非市場の為替相場メカニズムに陥った。

これらの通貨建て物品に対する需要が高まるにつれて
通貨価値が高まると予想されるが、
為替相場システムはその通貨がブレトンウッズの目標水準を
超えないようにするために中央銀行の介入を必要とした。

彼らは、外国為替市場でのドル買いと、
ポンド、ドイツマルク、円の売りを通じてこれを行った。

これにより、これらの国からの輸出価格が
市場勢力が予測したものよりも低く抑えられ、
米国の消費者にとってはさらに魅力的になり、
サイクルを持続させることになった。

ブレトンウッズのようなシステムは、
積極的にサポートする参加者の意欲に依存している。

しかしドル保有残高が多い国にとっては、
ドルの黙示的な市場価値の低下にともないその意欲は低下していった。

大量の資産を保有していて、
その資産の価値が低下すると考えている場合は、
すぐに資産を買い増すようなことはしないだろう。

しかしそれはまさにシステムが義務付けたものなのだ。



レトンウッズの死

1971年8月、ニクソン米大統領が外国の中央銀行がオンスの金額を
固定金利で35ドルで交換することができなくなると発表したときに、
このシステムはついに崩壊した。

2年以内に固定相場制は廃止され、
ヨーロッパと日本の通貨は変動し実際の需要と供給によって日々変化した。

ドルは急激な切り下げを受け、外国為替市場は拡大し、
中央銀行ではなく民間トレーダーによって圧倒的に支配されるようになった。

しかし、固定相場制は完全に消滅することはなかった。

日本の財務省と日本銀行の官僚は、
円安を輸出志向の経済政策の重要な要素としてみなしていた。

1980年代初頭、中国共産党の指導者である鄧小平は
「豊かになることは名誉なこと」といい、中国は世界の舞台に姿を表した。

80年代の終わりに、旧ブレトンウッズ体制ではなかった
東欧とロシアがグローバリゼーションの一員に加わった。

これが突然の1944年の再来となった。

いわゆる「新興市場」がドイツと日本に代わり、
米国とヨーロッパの先進市場に製品を販売したいという
願望を抱いていた。

先行した国々と同じようにこれらの国々、特に中国やほかのアジア経済の多くは、
過小評価された通貨を維持することが、成長し持続可能な輸出市場の鍵であり、
したがって、国内の富を増やすことであると考えていた。

これを「ブレトンウッズⅡ」と呼ぶ。

実際に、オリジナルと非常に似た仕組みで機能するが
金交換のような明確なメカニズムはない。

これもオリジナルと同じように、米国と発展途上国の参加者全員が、
このシステムを積極的にサポートするインセンティブをもっている必要がある。



1兆ドルのゴリラ

米国の貿易赤字はブレトンウッズⅡを通じて、
強い消費者需要と中国およびその他の新興経済の
急速な工業化によって増え続けた。

米ドルはまた事実上の準備通貨でありつづけ、
中国の人民
銀行、インド準備銀行などは
これらの準備金の大半を保有している。

これが米国債である。

中国だけで1兆ドルを超える外貨準備高を保有している。

明らかに、現状維持の取り決めを変える中国当局の劇的な動きというのは、
国際資本市場に乱気流を生み出す可能性を秘めている。

米国と中国の政治関係もまた、この難しい問題の重要な部分だ。

国際貿易はつねに敏感な政治的話題であり、
米国では保護主義は強いポピュリスト的本能である。

ある時点で、この取り決めの当事者たちは
その自己利益はシステムを放棄することにあると結論づけるだろう。



とめ

オリジナルのブレトンウッズ体制と
最近のシステムとの類似点は興味深く、そして有益だ。

長期的には経済は循環的に動き、
日本やドイツのような昔の新興経済だったものが
今日の安定し成熟した市場となり、
ほかの国が「新興のトラ」といった役割に足を踏み入れているといえる。

したがって、以前の新興市場に経済合理性をもっていたものは、
現在の市場や明日の市場にとっても理にかなうものである。

テクノロジー、グローバル化、市場革新の力によってもたらされた
劇的な変化にもかかわらず、経済システムは依然として人間的だ。

つまりこれらの利害関係者が価値がコストを上回ると認識している限り、
または解体するコストが負担できないほど大きい限り、
システムは利益を得ている人々の願いのもとに存在していく。

これは徐々に、合理的に起こることではあるが、
その着地ははるかに困難なものとなるだろう。

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