外国為替市場は、世界最大かつもっとも流動的なマーケットであり、
毎日数兆ドルが数百万の当事者たちによって取引されている。
FXをスタートするはじめのステップとして、
よく取引される通貨とその普及した用途を、
しっかりと知ることが大切だ。
この記事では、すべての投資家が知っておくべき
6つのポピュラーな通貨と、それぞれの特性をみていこう。
1. 米ドル(USD)
まず第一に、地球という惑星でもっとも
取引されている米ドルについて。
USDはすべての主要通貨とペアになっており、
三角通貨取引の媒介役も果たす。
これらはすべてUSDが世界中のほぼすべての、
中央銀行および機関投資家が保有する
非公式の国際準備通貨として機能するためだ。
さらに、USDは国際的に受け入れられているので、
一部の国ではドル化と呼ばれる現地通貨の代わりの
公式通貨として使用されている。
そのほかでは、公式の現地通貨も維持しながら、
非公式の代替支払い形態としてドルを受け入れている国もある。
ドルは他の通貨の為替相場においても重要な要素であり、
自国・地域の通貨と米ドルの為替レートを固定するための
ベンチマークや目標としても機能している。
たとえば中国は長いあいだ、多くのエコノミストや中央銀行の反対にも
かかわらず、人民元をドルにペッグしていた。
こういった国々は自由市場に相対的価値を変動させることを許すよりも、
為替レートの安定のためにドルのレートにペッグする。
FXの初心者が知るべきドルのもうひとつの特徴として、
原油や貴金属などほとんどのコモディティーの標準通貨であることだ。
つまり、これらのコモディティー価格は基本的な経済原則である
需要と供給だけでなく、ドルの価値に直接影響するインフレや
米国の金利にとても敏感だ。
2. ユーロ(EUR)
国際舞台では比較的新しいが、ユーロは米ドルにつづいて
世界で2番目に取引されている通貨であり、
世界第2位の準備通貨だ。
EU圏内のほとんどの国の公式通貨であるEURは、
1999年1月1日に世界市場に導入され、3年後に紙幣と硬貨が
流通した。
EU圏のほとんどの国の公式通貨であることに加え、
ヨーロッパとアフリカの多くの国が自国通貨をユーロにペッグしている。
これは為替レートを安定させるためで、米ドルの場合と理由は同じだ。
EURは広く使用され信頼されている通貨なので、
外国為替市場で広く普及しており、取引する通貨ペアに
流動性をもたらしている。
EURは欧州連合とその加盟国の健全性をになうものとして、
ぼくたちのような投機家に取引されている。
EU圏内の政治的イベントはしばしば、EURの大きな出来高につながる。
とくにEURが始まったときに金利が劇的に低下した、
イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなどと関係があるときだ。
EURは外国為替市場においてもっとも『政治色の強い』通貨といえる。
3. 日本円(JPY)
日本円は、アジアの中でもっとも取引されている通貨であり、
日本の製造業・輸出経済に内在する強さを代弁していると見なされている。
いくつかの点では、日本経済が進めば、円も進むといった構図だ。
多くは円を使って汎太平洋地域の健全性を評価している。
韓国、シンガポール、タイなどの経済がここに含まれ、
これらは世界の為替市場ではほとんど取引されていない。
JPYはまた、2つの通貨間の金利差から利益を得ようとするキャリートレード
における役割がよく知られている。
日本は基本的に20年以上にわたってゼロ金利政策を行っており、
トレーダーは無条件で円を借り、ほかのより高金利の通貨に投資した。
このプロセスで金利差をポケットに入れるのだ。
キャリートレードが国際舞台における円の存在感を高めるにつれ、
継続的な円の借り入れが起こり、円の価値を評価することをむずかしくしてしまった。
とはいえ、円はいまだほかの通貨と同じく国際金利との関係といった
ファンダメンタルズで取引されている。
なかでもドルやユーロは円の価値の大きな決定要因だ。
※長くなったので、つづきのGBP、CAD、CHFは明日執筆します。