多くの若年層にとって、少なくとも「理論的に」財務状況が安定するまで、
投資を先延ばしにするほうが簡単な選択だろう。
ひと昔前よりは若くから投資をする人が増えたとはいえ、
まだまだ少数派であることは間違いない。
奨学金返済や給料が低いことを理由に投資を先送りにすることもできるが、
20代というのは実際には投資の世界に入る最高の立場にあるといえる。
時間
お金に余裕はないかもしれないが、20代には時間的利点がある。
利益を再投資して投資を成長させる複利が
アルバート・アインシュタインによって「世界の8番目の不思議」と呼ばれたのには理由がある。
複利の魔法は投資家が時間の経過とともに富を生み出すことを可能にし、
それはたったふたつのことだけを必要とする:利益の再投資と、時間だ。
20歳での100万円の投資は、60歳になるまでに700万円以上に成長する。
(5%の金利に基づく)
30歳での100万円の投資は60歳までに約430万円、
そして40歳で同じことをすれば260万円にしかならない。
お金が働くのが長ければ長いほど、将来的により多くの富を生み出すことができる。
より大きなリスク
その人が耐えられるリスクの量というのは投資家の年齢が影響する。
若年者は将来的に多くの年数で収入を得られるため、
投資活動のリスクをより引き上げる余裕がある。
引退生活に入っている人は債券や譲渡性預金(CD)などの低リスク、
またはリスクフリーの投資に魅力を感じるかもしれないが、
若年層はよりボラティリティの高い 、より大きな利益をもたらす
積極的なポートフォリオを構築することができる。
行動することで学べる
若い投資家は投資を学び、成功と失敗の両方から学ぶ柔軟性と時間がある。
投資というのはかなり長い学習曲線を持っているので、
20代はマーケットを研究し投資戦略を改善するために
時間をかけられるという点で優位に立っている。
若い投資家が受け入れることができるより大きなリスクと同じく、
投資ミスを克服し回復するために必要な時間を有しているのだ。
テクノロジーに精通している
若い世代は現代テクノロジーに精通しており、
オンライン投資のツールやテクニックを学んだり応用することができる。
オンライン取引プラットフォームは、チャットルームや金融・教育ウェブサイトなど、
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方に無数の機会を提供している。
ソーシャルメディア、アプリなどのテクノロジーは、
すべての若い投資家の知識ベース、経験、自信、専門知識に貢献することができる。
人的資本
個人の視点からの人的資本は、
将来にわたるすべての賃金の現在価値と考えることができる。
賃金を稼ぐ能力はリタイア時のための投資と貯蓄の基礎となるため、
学位を取ったり、OJTを受けたり、高度なスキルを学んだりすることによって
自分自身に投資することは、大きな見返りがある価値のあるものだ。
20代は将来的な賃金を引き上げる能力を高める機会が多く、
これらを利用することは多くの投資形態のひとつと考えることができる。
まとめ
リタイア時の貯蓄だけが、計画性の高い投資をする唯一の理由ではない。
配当株式に投じるような投資の多くは、投資ライフを通じて収入の流れをもたらしてくれる。
20代は投資を始めていない人よりも、時間も含めより大きなリスクに対応する能力と
将来の賃金を増やす機会があるという明確な利点をもっているのだ。