※前回の記事の続きです。
6. 群れを追う
新米トレーダーのもう一つのよくある間違いは、
盲目的に群れに従うことであり、その結果話題のホットな株式に
あまりにも多くの支払いをしてしまうことだ。
またすでに急落していて今にも転換しようとしている
対象でショートポジションを建ててしまう。
経験豊富なトレーダーは
「The Trend Is Your Friend(トレンドは友達だ)」という言葉に
従っているが、列車が混雑しすぎると取引を終えるというのが習慣になっている。
しかし初心者はスマートマネーがそこから移動したあと
長いあいだ取引に留まったり、必要なときに逆のアプローチを取る自信がない。
基本的にはすべての卵を一つのカゴに盛るのはよそう。
分散はあらゆる投資における過度のエクスポージャーを避ける方法だ。
複数の投資で構成されたポートフォリオを持つと、
そのうちのどれかが損失を被ったときでも保護される。
またいずれの投資においても、ボラティリティと極端な価格変動から
保護するのにも役立つ。
ほとんどのマネージャーとミューチュアルファンドが
ベンチマークを下回っていることを証明した研究を列挙している時間はない。
長期的には低コストのインデックスファンドは、
65〜75%のアクティブ運用ファンドを上回っている。
インデックスを支持する多くの証拠があるにもかかわらず、
アクティブなマネージャーの投資意欲は依然として強いままだ。
ヴァンガードの創設者であるジョン・ボーグル氏は、
「希望は人間の胸に永遠にわき出る。インデックスというは退屈だ。
これは"わたしはもっとうまくやれる"という人々の考えと衝突する」
とその理由を語っている。
資産クラスの全体、または大部分(70〜80%)をインデックスにしよう。
次なる偉大なパフォーマーを追い求めるという興奮に抵抗できないときは、
各資産クラスでアクティブなマネージャーに割り当てる配分を20〜30%にしよう。
これはあなたのポートフォリオを壊滅させることなく、
パフォーマンスを追求するという願いを叶えるものになるだろう。
7. 宿題をサボる
初心者はしばしば、取引を開始するまえに適切なリサーチを
行っていないという罪を犯している。
季節的傾向、データリリースのタイミング、
経験を積んだトレーダーが所有するトレーディングパターンの知識を
持っていないため、しっかりと宿題をこなすことが重要だ。
新しいトレーダーにとって、トレードをしなくてはという切迫感は、
しばしばリサーチを行う必要性を圧倒してしまうが、
結局はそれが高い授業料につながってしまう。
より広義には、あなたが興味を持っている投資を研究しないことは間違いだ。
たとえば、株式に投資する場合は会社とその事業計画を調査する。
だれもが徹底したリサーチをしているわけではない。
市場は効率的であり、良い投資を特定することによって
お金を稼ぐことはできないという前提で行動するのはやめよう。
これは簡単な作業ではなく、ほかのすべての投資家が
あなたと同じ情報にアクセスすることができるが、
リサーチを行うことによってよい投資を特定することは可能である。
根拠ないアドバイスで買う
おそらく誰もが投資のキャリアのどこかでこのミスを犯す。
身内や友人から株の買い上げ、素晴らしい決算、
画期的な新製品をリリースするといった噂を聞くかもしれない。
たとえこれらが真実であっても、必ずしもその株式が「つぎの大波」である
ことを意味するわけではなく、買い注文をするため証券会社に急ぐ理由にはならない。
金融メディアに注目しすぎる
あなたの目標達成に役立つ金融ニュース番組はほとんどない。
スイッチをオフにしよう。
何か価値のあるニュースレターはない。
たとえあったとして、事前にそれをどうやって識別するのか?
考えてもみてほしい。
だれかが本当に有益な株式のアドバイス、トレードのアドバイス、
大金を稼ぐための秘密の数式を持っているなら、
それをわざわざテレビで吹聴したり月額5,000円であなたに売ったりするだろうか?
するわけがない。
口を閉じてひっそりと何億円も稼ぎ、
生活のためにニュースレターを売る必要はないだろう。
解決策は?
TVで金融ニュース番組を観たり、
ニュースレターを読んだりする時間を減らそう。
あなたの投資計画を作り、それに従う時間をもっと増やそう。
株を買うときに大局を見落とす
長期投資家にとってもっとも重要だがよく見落とされることの1つは、
定性分析、つまり「大局を見る」ことだ。
伝説的な投資家のピーター・リンチはかつて、
彼の子供のおもちゃと子供たちのあいだの流行を見て、
最高の投資を見つけたと述べた。
ブランドネームもとても価値が高い。
世界中のほとんどの人がどのように
コカコーラを把握しているか考えて見よう。
名前の財務的価値だけでも数十億ドルで見積もられる。
iPhoneにしてもビッグマックにしても、だれも異論はないだろう。
だから、財務諸表の読み込みに注力したり、複雑なテクニカル分析で
売買機会を特定しようとすると多大な時間がかかるかもしれないが、
あなたが投資する会社に対して逆風になるように世界が変わったら、
遅かれ早かれ負けることになる。
結局のところ、1980年代後半のタイプライター企業は業界内のどの企業よりも
優れていた可能性がありましたが、パーソナルコンピュータが普及し始めると
当時のタイプライターの投資家はより大局を評価し、うまく乗り換えることができたはずだ。
定性的な観点から会社を評価することは、売上と収益を見ることと同じくらい重要だ。
定性分析は、投資の見込みを評価するうえでもっとも簡単で効果的な戦略のひとつである。
8. 複数のマーケットで取引する
初心者のトレーダーは、株式からオプション、通貨、商品先物など、
市場から市場へとせわしなく動き回ることもある。
しかし複数の市場を取引することは大きな注意散漫になり、
まずはひとつの市場でスペシャリストになるための必要な
経験を得ることができなくなる。
9. 税金や手数料を無視する
投資するまえに税金面を忘れないようにしよう。
地方債など一部の投資に対しては税制上の優遇措置を受けることもできる。
投資するまえに税制や投資期間を考慮して、
税調整後のリターンを見るようにしよう。
取引手数料を必要以上に払ってはいけない。
投資を持ち続けたり、頻繁に取引しないことで
ブローカーの手数料を節約できる。
また過度の手数料を徴収しないブローカーを見つけることで、
投資から得られるリターンをより多くすることができる。
10. 自信過剰 / 能力の過小評価
トレードはとてもタフな職業だが、初心者トレーダーが経験する
「ビギナーズラック」は、トレードがいち早く富に至る道であると
信じさせるかもしれない。
このような過信はうぬぼれを助長し、トレードにおける大惨事につながる
過度のリスクテイクを促すため危険だ。
1995年のバートン・マルキールの研究
「Returns From Investing In Equity Mutual Funds」を含む多くの調査から、
ほとんどのマネージャーがベンチマークを下回ることがわかっている。
また、アウトパフォームするマネージャーを事前に選ぶ
一貫した方法がないこともわかっている。
長期的に見ると、非常に少数の人のみが
儲けることができることもわかっている。
それならなぜ多くの投資家がみずからの市場の頃合いを測る能力や
優れたマネージャーを選ぶ能力に自信が持てるというのだろう?
フィディリティのグル、ピーター・リンチは
「フォーブス400にマーケットタイマーはいない」といった。
アクティブトレーダーになることを決心するまえに、
よく考えよう。
デイトレードは危険なゲームであり、
本来はもっとも熟練した投資家だけが試みるべきだ。
専門知識、プラットフォーム、迅速な注文実行へのアクセスがない限り、
トレードをするまえにしっかりと検討しよう。
とくにリスクやストレスに熟達していない投資家には、
はるかに良いほかの選択肢がある。
能力を過小評価する
マーケットにおける成功は洗練された投資家だけのものと考え、
自分が抜きんでることは不可能だと思い込んでいる投資家もいる。
こういった思い込みはまったく真実ではない。
手数料ベースのミューチュアルファンドのセールスマンは
おそらくあなたに違うことを言ってくるだろうが、
ほとんどのマネーマネージャーは広範囲のマーケットを
アンダーパフォームしている。
学習と研究に時間を費やすことで、投資家は自分のポートフォリオを
コントロールし投資決定を行うことができる。
多くの投資は共通感覚と合理性に
したがっていることを忘れないようにしよう。
個人投資家は十分な技術を得られるポテンシャルが
あること以外にも、機関投資家が直面する流動性や諸経費の問題に
直面せずにすむ。
健全な投資戦略を持つ小規模な投資家は、いわゆる投資専門家よりも
それほど良いとは言えないにしても、市場を打ち負かす可能性がある。
自分の能力や可能性を過小評価してはいけない。
つまり本業があるという理由だけで、
金融市場に参加することができないと思い込まないほうがいい。
まとめ
あなたが投資するお金を持っていて、
これらの初心者の間違いに注意することができれば、
実際に投資で利益をあげることができるだろう。
投資でよいリターンを得ることは、あなたを経済的ゴールへと近づけてくれる。
大きな利益や損失を生み出す市場において、
間違ったアドバイスや不合理な決定には事欠かない。
個人投資家として、ポートフォリオを長期的にふくらませるために
できるベストなことは、あなたにとって快適で合理的な投資戦略を実行することだ。
直感でお金を賭けることによって大きな勝利を目指しているなら、
カジノに行ったほうがいい。
自らの投資における意思決定に誇りを持てば、
長期的にはポートフォリオがあなたの行動の健全性を反映して成長していく。