「ダークプール」とは
昨日の記事で、ダークプールについて質問をいただいたので、
今日はダークプールについて。
ダークプールとは、私設取引所で執行された機関投資家の注文で
作られる取引出来高のことで、一般のわれわれにはほとんど利用できない。
ダークプールの大半は、中央取引所から離れたブロックトレードによって表される。
アップステアズ(上階)市場、暗い流動性、見えない流動性とも呼ばれている。
ダークプールは、取引が執行され終わるまで一般には取引の詳細が隠されていて、
濁った水のように取引に雲がかかっていることから、このような名前がついている。
流動性に基づいた戦略を用いるトレーダーは、すべての関係者にとって
トレードをもっと公平にするため、ダークプールは公表されるべきだと考えているようだ。
ダークプールの出現
ほんの数ミリ秒の間にアルゴリズムベースのプログラムを実行できる
スーパーコンピュータの出現により、高頻度取引(HFT)が日々の取引出来高を
支配するようになった。
HFTの技術によって、機関投資家は他の投資家に先んじて数百万株分の注文を
実行し、株価の小幅上昇や下落を利用することができる。
その後の注文が実行されると、HFTトレーダーが即座に利益を得て、
ポジションを閉じる。
この形式の法的な海賊行為は1日に何十回も発生し、
HFTトレーダーには大きな利益をもたらしている。
最終的に、ひとつの取引所を通した大規模な取引を実行することが
ますます困難になるほど、HFTは普及した。
大きなHFTオーダーは複数の取引所に分散されなければならなかったため、
注文の前に出て在庫を奪い、株価を押し上げる取引の競争相手への警告となった。
これらのすべては、最初の注文が発注されてから数ミリ秒以内に発生する。
一般の取引所での透明性を避け、大きなブロックトレードのための流動性を
確かなものとするために、いくつかの投資銀行が私設取引所を設立した。
これがダークプールと呼ばれるようになった。
公的取引所に発注することができないほど大量の注文をしているトレーダーや、
自分たちの意図を電信送信することを避けたいトレーダーにとって、
ダークプールはトレードを実行する流動性のある買い手と売り手の市場を提供する。
2016年段階で、米国で50以上のダークプールが運用され、
ほとんどが投資銀行によって運営されている。
ダークプールには厳しい視線が注がれている
合法であると考えられているが、ダークプールにはほとんど透明性がない。
HFTを他の投資家に対する不公平なアドバンテージだとして非難してきた人は、
利益相反を隠すことができるダークプールの透明性の欠如も非難している。
証券取引委員会(SEC)は、機関投資家が顧客のオーダーの前に自分たちのオーダーを
出し、株価の上昇を利益に変えるときに発生する違法なフロントランニングの苦情に対して、
ダークプールの調査を強化している。
ダークプールの支持者は、市場がより効率的に動くことを可能にする、
本質的な流動性を提供しているのだと主張している。