投資家 になるなら知っておきたい 通貨市場 と 国際貿易 hspace=




グローバル経済は第二次世界大戦の終結以来、
事実上途切れることなく続いているトレンドであり、
世界中で製品やサービスの流動化を促している。

このシステムの立案者たちが
1944年7月にブレトンウッズのリゾートで会合したときに
どうなるか想像できていた可能性は低いが、
彼らが生みだしたインフラの多くは、今日のグローバル市場に関係し続けている。

「ブレトンウッズ」という名前でさえ
中国やほかの急速に発展している経済と、
アメリカとの関係を特徴とするモダンな装いで生き続けている。

グローバルな貿易と資本の流れの現代史、
その基礎となる経済原則、
そしてこれらの発展が今でも重要である理由について見ていこう。



じまり

1944年にブレトンウッズ会議に出席した45の連合国の代表団は、
20世紀の後半が前半のようにならないよう保証することを決めた。

前半というのはおもに壊滅的な戦争と
世界的な経済恐慌から成っていた。

世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、世界的な経済の安定を保証する存在だ。

国境を越えた貿易のための公正で秩序ある市場を促すために、
この会議はブレトンウッズ体制を生み出した。

これは金本位制と準備通貨制の金為替本位制度であり、
事実上のグローバル準備通貨として米ドルを設定した。

中央銀行は1オンスあたり35ドルの固定レートで
金とドルを交換することができる。

当時、米国は世界の金貨幣埋蔵量の65%以上を保持し、
このためシステムの中心に位置しており、
周辺にはヨーロッパと日本という復興国があった。



べてをひとつに

しばらくの間、これはWin-Winのように思われた。

戦後の廃墟となっていたドイツや日本などの国は、
成長する輸出市場を背後に経済を再建した。

米国では豊かになる人が増え、
海外市場からの製品群に対する需要が増加した。

フォルクスワーゲン、ソニーやフィリップスは、
おなじみの名前となった。

予想通り米国の輸入は増加し、貿易赤字も拡大した。

教科書どおりの経済理論では、供給と需要という市場の力学は
貿易赤字と貿易黒字の自然な是正機能としてはたらく。

しかしブレトンウッズ体制における現実世界では、
自然市場の力は非市場の為替相場メカニズムに陥った。

これらの通貨建て物品に対する需要が高まるにつれて
通貨価値が高まると予想されるが、
為替相場システムはその通貨がブレトンウッズの目標水準を
超えないようにするために中央銀行の介入を必要とした。

彼らは、外国為替市場でのドル買いと、
ポンド、ドイツマルク、円の売りを通じてこれを行った。

これにより、これらの国からの輸出価格が
市場勢力が予測したものよりも低く抑えられ、
米国の消費者にとってはさらに魅力的になり、
サイクルを持続させることになった。

ブレトンウッズのようなシステムは、
積極的にサポートする参加者の意欲に依存している。

しかしドル保有残高が多い国にとっては、
ドルの黙示的な市場価値の低下にともないその意欲は低下していった。

大量の資産を保有していて、
その資産の価値が低下すると考えている場合は、
すぐに資産を買い増すようなことはしないだろう。

しかしそれはまさにシステムが義務付けたものなのだ。



レトンウッズの死

1971年8月、ニクソン米大統領が外国の中央銀行がオンスの金額を
固定金利で35ドルで交換することができなくなると発表したときに、
このシステムはついに崩壊した。

2年以内に固定相場制は廃止され、
ヨーロッパと日本の通貨は変動し実際の需要と供給によって日々変化した。

ドルは急激な切り下げを受け、外国為替市場は拡大し、
中央銀行ではなく民間トレーダーによって圧倒的に支配されるようになった。

しかし、固定相場制は完全に消滅することはなかった。

日本の財務省と日本銀行の官僚は、
円安を輸出志向の経済政策の重要な要素としてみなしていた。

1980年代初頭、中国共産党の指導者である鄧小平は
「豊かになることは名誉なこと」といい、中国は世界の舞台に姿を表した。

80年代の終わりに、旧ブレトンウッズ体制ではなかった
東欧とロシアがグローバリゼーションの一員に加わった。

これが突然の1944年の再来となった。

いわゆる「新興市場」がドイツと日本に代わり、
米国とヨーロッパの先進市場に製品を販売したいという
願望を抱いていた。

先行した国々と同じようにこれらの国々、特に中国やほかのアジア経済の多くは、
過小評価された通貨を維持することが、成長し持続可能な輸出市場の鍵であり、
したがって、国内の富を増やすことであると考えていた。

これを「ブレトンウッズⅡ」と呼ぶ。

実際に、オリジナルと非常に似た仕組みで機能するが
金交換のような明確なメカニズムはない。

これもオリジナルと同じように、米国と発展途上国の参加者全員が、
このシステムを積極的にサポートするインセンティブをもっている必要がある。



1兆ドルのゴリラ

米国の貿易赤字はブレトンウッズⅡを通じて、
強い消費者需要と中国およびその他の新興経済の
急速な工業化によって増え続けた。

米ドルはまた事実上の準備通貨でありつづけ、
中国の人民
銀行、インド準備銀行などは
これらの準備金の大半を保有している。

これが米国債である。

中国だけで1兆ドルを超える外貨準備高を保有している。

明らかに、現状維持の取り決めを変える中国当局の劇的な動きというのは、
国際資本市場に乱気流を生み出す可能性を秘めている。

米国と中国の政治関係もまた、この難しい問題の重要な部分だ。

国際貿易はつねに敏感な政治的話題であり、
米国では保護主義は強いポピュリスト的本能である。

ある時点で、この取り決めの当事者たちは
その自己利益はシステムを放棄することにあると結論づけるだろう。



とめ

オリジナルのブレトンウッズ体制と
最近のシステムとの類似点は興味深く、そして有益だ。

長期的には経済は循環的に動き、
日本やドイツのような昔の新興経済だったものが
今日の安定し成熟した市場となり、
ほかの国が「新興のトラ」といった役割に足を踏み入れているといえる。

したがって、以前の新興市場に経済合理性をもっていたものは、
現在の市場や明日の市場にとっても理にかなうものである。

テクノロジー、グローバル化、市場革新の力によってもたらされた
劇的な変化にもかかわらず、経済システムは依然として人間的だ。

つまりこれらの利害関係者が価値がコストを上回ると認識している限り、
または解体するコストが負担できないほど大きい限り、
システムは利益を得ている人々の願いのもとに存在していく。

これは徐々に、合理的に起こることではあるが、
その着地ははるかに困難なものとなるだろう。