経済データ
チャートとチャートパターンは、トレーダーの心理に基づいて
トレード機会を特定する方法を提供する。
同様に国の経済のファンダメンタルズの変化は、
その通貨の価値に影響を与えることは間違いない。
したがって日ごと、週ごとに経済データは
通貨の価値にとても大きな影響を与える。
具体的には金利、インフレ率、失業率、消費者信頼感、
国内総生産(GDP)、政治的な安定などの変化は、
発表の性質や国の現状に応じてとても大きな利益/損失につながる。
下記のリストは、どの国による発表かにかかわらず、
一般的にもっとも大きな影響力をもつと考えられている経済指標である。
基本的に米国のデータが中心だが、
米ドルは世界でもっとも注目される通貨であり、
FXにおける日本の経済データのプレゼンスはあまり高くないためだ。
雇用データ
大多数の国が定期的に雇用者数に関するデータを公表している。
米国では、毎月第一金曜日に労働統計局が
非農業部門雇用者数と呼ばれる雇用データを発表している。
一般に、雇用の著しい増加は経済成長が好調であることを示す。
同様に、著しい減少は収縮が差し迫っていることを示している。
これらは一般的な傾向だが、現在の経済状況を考慮することが大切だ。
たとえば、直近に経済問題を抱えていた国における強い雇用データは、
経済の健全性と回復の兆候と捉えることができるので通貨は上昇するだろう。
逆に過熱した経済状況では、高い雇用はインフレにつながり、
こういった状況では通貨は下落する可能性がある。
インフレーション
インフレデータは一定期間の価格水準の変化を示すものだ。
経済における商品やサービスは膨大な量にのぼるので、
商品やサービスのバスケットが価格の変化を測定するのに使われる。
米国のインフレデータは消費者物価指数(CPI)で表され、
労働統計局が毎月発表している。
予想を上回る価格上昇はインフレの兆候と見なされ、
これにより当該国の通貨が下落する可能性がある。
国内総生産(GDP)
国内総生産(GDP)は、ある国で一定期間に生産された
すべての完成品およびサービスの合計だ。
GDPは民間消費、政府支出、事業支出や純輸出額から計算される。
米国GDPの情報は月1回の月末、経済分析局によって発表されている。
GDPは経済の健全性を示すもっとも優れた指標となることが多い。
というのも、GDPの増加は経済のプラス成長のシグナルだからだ。
国の経済が健全であればあるほど、海外投資家の投資を惹きつける。
国の通貨に対する需要の増加は、その通貨価値を高めることにつながる。
小売売上高
小売売上高データは、一定期間に生じた小売販売数を示す。
この数値は消費者の支出レベルとして機能する。
この尺度は消費者支出についての考察を得るために、
さまざまな店舗のグループからの売上データを使う。
経済の強さは消費の増加からも判断できる。
米国の小売売上高データは、
毎月中旬に商務省によって発表されている。
マクロ経済イベントと地政学イベント
外国為替市場における最大の変化は、
戦争、選挙、金融政策の変更、金融危機などの
マクロ経済的、地政学的なイベントから生じることが多い。
これらのできごとは国のファンダメンタルズを変えたり、
作り直してしまうことができる。
たとえば戦争は国に大きな経済的負担をかけ、
地域のボラティリティを大きく増加させ、
その通貨の価値に影響を与える。
こういったマクロ経済や地政学的イベントについて
最新の情報を手に入れることが大切だ。
外国為替市場で公開されるデータはとても多く、
初心者にとってはどのデータをフォローすればよいのかを
判断するのはとてもむずかしいだろう。
ニュースがあなたがトレードする通貨に
与える影響を知ることは重要だ。
まとめ
通貨に影響を与える経済ニュースについて
少し理解を深めたところで、国の経済状態の
もうひとつの大切な側面について深く学んでいこう。
金利だ。
金利はFXトレーダーがもっとも注目している指標のひとつだ。
金利についてはまた、記事にしていこうと思っている。