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長期投資成功のカギは、資本を失わないようにすることだ。

世界最高の投資家であるウォーレン・バフェットは、
投資においてひとつのルールを自らに課している。


Never lose money.(決してお金を失うな)だ。


これは、マイナスになった瞬間に
保有資産を手放せということではない。

しかし富を構築するために、
ポートフォリオや耐えようとしている損失に
しっかりと気を配り続けるべきだ。

マーケットに投資するなら
リスクを完全に回避することはできないが、
以下の6つの戦略はポートフォリオの保護に役立つだろう。



1. 分散

現代ポートフォリオ理論(MPT)の
基礎のひとつは、分散することだ。

低迷した市場では分散された
ポートフォリオは集中したものを
アウトパフォームする、とMPTの信奉者は考えている。

投資家は、複数の資産クラスに
たくさんの投資を保有することで
より深く、より広く分散したポートフォリオを構築する。

こうしてアンシステマティック・リスクを軽減している。

これは、広くマーケットに投資する際のリスクである
システマティック・リスクとは対照的に、
特定の企業に投資するリスクである。



2. 非相関資産

一部の金融専門家によると12、18、30の株式を含む
株式ポートフォリオは、すべてではないにしても
ほとんどのアンシステマティック・リスクを排除できる。

残念なことに、
システマティック・リスクは常に存在する。

しかし債券、コモディティ、通貨、不動産などの
非相関資産クラスを株に加えることによって、
最終的な結果はより低いボラティリティーになる。

そして非相関資産が株とは違う動きをするので、
システマティック・リスクを低減することができる。

ある資産が上昇すると、
ある資産が下落するといった具合だ。

最終的に、非相関資産をつかうことにより
パフォーマンスの高低がなくなり、
よりバランスの取れたリターンを実現する。

少なくともこれはセオリーだ。

しかし近年では、非相関だったものが
互いに似た動きをするようになったことで
戦略の有効性が下がっているという証拠も出てきている。



3. LEAPS、プット、その他のオプション戦略

1926〜2009年のあいだ、
S&P500は84年のうち24年はマイナスとなり、
そのときは25%以上の下落となった。

投資家は一般的に、利益を確定することによって
上昇分を確保する。

これが賢明な選択のこともある。

しかし、勝ち馬は次なる高値へ向かうまえに
単なる休憩をとっているというケースもしばしばだ。

この例では、売却はしたくないが
利益の一部は確定したいと考えるだろう。

これをどのように行うか?

いくつか方法があるがもっとも一般的なのは、
プットオプションを購入することだ。

これは原株の価格が下落することに賭ける。

株を空売りすることとは異なり、
プットは将来の特定のときに特定の価格で売却する
オプションを提供する。

たとえば、A社の株式を100株所有しており、
1年間で80%上昇、100ドルで取引されているとする。

あなたはA社の輝かしい未来には自信を持っているが
株価があまりにも急速に上昇したため、
短期では下落しそうだ。

ここでの利益を守るには、有効期限6ヶ月の
A社のプットオプションを105ドルほどの
ストライクプライスで買うことだ。

このオプションを買うコストは600ドルまたは
1株あたり6ドル。

これにより、A社株100株を6ヶ月以内に105ドル
で売却する権利が与えられる。

株価が90ドルに下落したら、
プットオプションを買うコストは大幅に上昇するだろう。

この時点で、株価の下落を相殺するためのオプションを
売却する。

長期的な保護を求めている投資家は、リープス(LEAPS)
を3年間という期間買うことができる。

必ずしもオプションからお金を稼がなくても、
含み益が損失にならないように施策を打つことは大切だ。

個別株ではなくポートフォリオ全体を保護したい投資家は、
同じように機能するインデックスLEAPSを買うことも可能だ。



4. 損切り

損切りは株価の下落から保護してくれる。


たとえば、A社株を10ドル、ハードストップ8ドルで購入する。

価格が8ドルに下がった場合、株式は自動的に売却される。

トレーリングストップは、株価と一緒に動き、
ドルや%で設定できる点で異なる。

前の例をつかって、10%のトレーリングストップを
設定したとする。

株価が2ドル上昇すると、トレーリングストップは
元の9ドルから10.80ドルに動く。

その株価が10.50ドルに下落した場合、
9ドルのハードストップをつかって
まだ保有を続ける。

トレーリングストップの場合、
株式は10.80ドルで売却される。

次に起こることが、
より有利なものを決定する。

もし株価が10.50ドルから9ドルに
下落すれば、トレーリングストップが勝者だ。

しかしそれが15ドルまで上がると、
ハードストップが良い方法だ。


ストップロスの支持者は、
急激な市場の変化から守ってくれると考えている。

反対に、ハードストップとトレーリングストップが
含み損を確定してしまうと考える向きもある。

これが、どんなストップであれ十分に
計画されたものである必要がある理由だ。



5. 配当金

おそらく、ポートフォリオを保護する方法として
ほとんど知られていないのが、有配株に投資することだろう。

歴史的に、配当は株式の総収益のかなりの部分を占めている。

場合によっては総額を表していることもある。

配当のある安定した企業を所有することは、
平均以上のリターンを得るための実績のある方法だ。

マーケットが下落している場合、
衝撃をやわらげる配当はリスク回避型投資家
にとって重要であり、通常はボラティリティが低くなる。

投資収益に加えて、多くの配当を支払う企業は
そうでない企業よりも収益を成長させる傾向がある
という調査結果がある。

より速い成長は株価を押し上げることにつながり、
キャピタルゲインも大きくなる。

株価が下落しているときに
衝撃をやわらげることに加え、
配当はインフレへの良いヘッジになる。

配当と価格設定権をもつ優良企業に
投資することで、インフレ連動債(TIPS)以外の
債券投資もかなわないポートフォリオ保護が可能だ。

さらに、25年連続で配当を増やしている企業である
配当貴族」に投資すれば、債券の金利が変わらないときに
毎年配当が増えていくことを事実上確定することができる。

あなたがもしリタイア間近なら、
最後に必要なのはあなたの購買力を破壊する
高インフレの終焉だ。



6. 元本保証の投資

元本の保護が心配な投資家は、
資本参加権のある元本保護ノート(PPN
を検討したいかもしれない。

これらは満期まで保有すれば
元本が保護されるという点で債券と似ている。

異なる点は、資本参加だ。

たとえば、S&P500に関連づけられた
PPNを1,000ドルで購入したいとする。

これらは5年で満期を迎える。

発行者は、額面の割引価格で
PPNと同じ時期に満期を迎えるゼロクーポン債を購入する。

債券は満期まで利息を支払わず、
額面で償還される。

この例では、ゼロクーポン債の1,000ドルを800ドルを購入し、
残りの200ドルをS&P500のコールオプションに投じている。

債券が満期になると、参加率に応じて利益が分配される。

この期間にインデックスが20%上昇し、
参加率が90%であれば、元金1,000ドルに加え
180ドルの利益を得ることになる。

20%が失われた場合でも、
元金1,000ドルは戻り、
インデックスへの直接投資は200ドルの損失となる。

元本保証の代償として、20ドルの利益を失う。

リスク回避型投資家は、PPNが魅力的だと感じるだろう。

この方法を実行するまえに、元本を保証している銀行の
強さ、PPN投資の基礎、購入手数料を見極めることが大切だ。



とめ

これらの戦略は、株式や債券に投資するときに
避けられないボラティリティーからポートフォリオを
守るのに役立つ。

どの戦略を選ぶかは、個人の財務状況によって異なる。