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前回の記事とも重なる部分があるが、
今回もエンジェル投資家について理解を深めていこう。



投資の世界は2つの大きな世界に分かれている。


・大きなリスクを冒すことなく、
お金が着実に成長していくのを見たい人たち。


・「次なる大ブーム」を捉えることで大成功を狙う人たち。


この2つめのグループを、エンジェル投資家という。

有望なスタートアップ企業に資金を提供し、
初期費用の何倍ものリターンを期待する。

これは大企業に売却されたり、
新規株式公開(IPO)が決定したときに起こる。

エンジェル投資はエキサイティングに聞こえるかもしれないが、
すべての人に道が開かれているわけではない。

おもなハードルは実際には法的なものだ。

あなたは「適格投資家」とよばれるものに
ならなくてはならない。

つまり、資産100万ドル(おもな住居を含まない)を持っているか、
年間20万ドル以上の収入がなくてはならない。

言い換えれば、次のFacebookやAlibabaを見い出して
大金持ちになるというゲームに挑戦するまえに、
かなりの裕福でなければならない。

現実にはそれ以上の富が必要になってくる。

もっとも賢明なエンジェルでさえ多くの取引で資金を失うため、
たいていは少なくとも10〜20の企業に賭けている。

典型的な投資額が25,000〜50,000ドルの範囲であれば、
スタートするのに25万ドルが最低限必要になる。



験の数

エンジェル投資ゲームで成功するには、
たっぷりの銀行口座よりも経験が重要だ。

もっとも良い結果を残すエンジェルはたいてい、
投資している会社と同じ業界で仕事をしていた人たちだ。

このような人はマーケットを理解し、
ビジネス成長のポテンシャルをより把握している。

また業界経験があるエンジェルは、
創業者が自分の事業を次のレベルへもっていくために
活用できる専門知識をもっていることが多い。



DO YOUR HOMEWORK

エンジェル投資の世界に入るために
必要な3つ目のこと、それは時間。

すでに取引所で取引されている企業とは異なり、
スタートアップに関する情報は検索でほとんど出てこない。

したがって、アーリーステージ投資家の多くは、
会社の経営陣と直接会い、目標をよりよく理解し、
会社の財務状況を掘り下げたいと考えている。

何よりもエンジェルは、本当に創業者がビジョンを
実現できるかについて良い判断をくだす必要がある。

彼らがお互いを補うスキルがない、
あるいは会社の方向性について対立している場合、
良い結果になることはない。

また創業者それぞれを調査し、
彼らのバックグラウンドや経験の説明が
実際にやったことと一致していることか、
以前のプロジェクトで疑わしい問題が
あるかどうかを確認しよう。

もし失敗や倒産が発覚した場合は、
検討しているプロジェクトに密接に
関係しているかどうかを判断するとよい。



イリスク・ハイリターン

アーリーステージの投資家は楽観主義の傾向があるので、
ありのままの統計を理解することが重要だ。

米国国勢調査局によると、スタートアップのおよそ半分は
数年以内に失敗に終わるという。

そしてその残りのうちごく少数のみが、
エンジェルが目標とする大きなリターンをもたらす。

少なくとも、初期投資の10倍だ。

言うまでもなく、退職後や子供の大学のためのお金を
最新のベンチャーに注ぎ込むことに興味はないだろう。

エンジェル投資に参入すれば、経験者は
可能なかぎり投資を分散することを勧めてくる。

これは、失敗を補ってあまりある
素晴らしい投資に遭遇する確率を高める。

たとえ会社が上手くいっていても、
投資家はすぐに大金を期待するべきではない。

平均して、会社の買い手が見つかったり、
新規株式公開(IPO)が成功するほどの
関心を集めるのにおよそ5〜10年かかる。



り簡単に

今日、エンジェル投資を始めることは
これまでになく簡単になっている。

これまでは、資金提供者はエンジェル投資グループに
加入しなければならなかった。

つまりミーティングに出席し、会費を支払うということだ。

多くのグループは招待制のため、参入するにもコネが必要になる。

しかしここ数年で、AngelListなどのオンラインシンジケートが
立ち上がり、より直接的な方法で投資することができる。

リードは、投資全体において大部分を占め、
会社に関する調査報告を書いたりする。

ほかの投資家は、自らのお金を使って
「後援者」になるのかを決定することができる。

オンラインのクラウドファンディングフォーラムは、
人々がどのように投資するかだけでなく、
投資の金額にも変化をおこしている。

サイトによってはこれまでよりもずっと少ない、
1社当たりわずか1,000ドルでエンジェルになることができる。

ではオンラインで投資することがいつでも正解なのか?

必ずしもそうではない。

とりわけベテランのプロからコツを学ぼうとしている
新しいエンジェルにとって、より伝統的なシンジケートに
加入することは貴重な経験になる。

現金を出す前にエンジェルシンジケートや
リードインベスターを十分に調査し、
実績に満足できるかを確かめよう。



とめ

エンジェル投資は、心が浮き立つようなプロセスとなるだろう。

しかし、たとえあなたが適格投資家の条件を満たしているとしても、
アーリーステージ投資はすべての人に向くわけではない。

スタートアップで成功するのはごく一握りだ。

そしてたとえ成功したとしても、
ポジションを売却するのに数年かかることもある。