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有望な新ビジネスを早期からサポートし、
成功のストーリーへ導くことよりも
大きなスリルは投資家にとってないといえる。

今日、スタートアップのエンジェル投資家として
活動する米国人は約30万人にのぼる。

しかしエンジェル投資の世界に参入することは、
いつでも簡単に、というわけにはいかない。

証券取引委員会(SEC)は
「適格投資家」のみ参入を許している。

つまり、少なくとも100万ドル(約1億1300万円)の
純資産(住居を除く)を所有しているか、
過去2年間にわたって年収20万ドル(約2200万円)以上あり、
「今年も同じだけの収入が合理的に期待できる」人でなくてはならない。 

夫婦の場合、最低所得水準は30万ドル(約3400万円)以上必要だ。

たとえあなたがこの規制上のハードルをクリアしているとしても、
素人が新規参入を仕掛けるなら現実的な方法はふつう、
調査の責任を共有し、企業が必要とする総投資を分ける
ことができる「エンジェル」グループに参加することだ。



来のグループ

アーリーステージの投資家にとって良いニュースは、
米国におけるエンジェル投資家グループの数が、
過去数十年にわたって急増しているということだ。

取引機関であるエンジェル・キャピタル協会の調査によると、
現在では1999年の3倍ものグループが存在している。

これらのグループのほとんどが招待によるメンバーのみを
許可するため、今でも個人的な人脈というのは助けになる。

ただし、必ずしも現在のメンバーから声がかからないと
うまくいかないという意味ではない。

新しいエンジェル投資家がゲストとして
いくつかのミーティングに参加することを認める場合もある。

あなたのコミットメントの度合いと、
テーブルへ持ってきたもの(資金)が伝われば、
彼らは正式な参加を提案してくるかもしれない。

ほとんどの投資家グループは、
年間約1,000ドル(約113,000円)以上の会員費を必要とし、
資本を必要とする起業家からのピッチを聞く
定期ミーティングを開催している。

毎月、または四半期の会議に出席することは
骨の折れる仕事のように聞こえるかもしれないが、
チームでのアプローチがスタートアップ投資家のあいだで
とても人気がある重要な理由がいくつかある。

ほとんどの企業が単一の投資家からもたらされるよりも
多くの資金を求めている。

それは多くの場合、100万ドル以上になる。

この出資比率を複数の人で分けることによって、
個人としてはひとつのディールで25,000ドル(約280万円)から
50,000ドル(約560万円)しかかからない。

またチームで活動する投資家は、メジャーな投資がふつう必要とする
相当量のデューデリジェンスを手分けすることができる。

これは大きな時間の節約になるだけでなく、
共同作業によって資金提供者はお互いの経験や
専門知識を活用することができる。

ビジネスへの投資の決定はその人次第だが、
参加するかどうかを決める前に、
グループ内のほかの人からさまざまなことを
インプットすることができる。。

ぼくが考えるグループに参加する最大の利点は、
より多くの取引について学ぶことができることにある。

エンジェル投資はその性質上、
ハイリスク・ハイリターンな案件だ。
それも超がつくほどの。

エンジェル投資のエキスパートのほとんどが、
資本を保護するために少なくとも10社のポートフォリオを
持つことを薦めている。

それはたしかに多くのリードインベスターと
交流を持つ助けとなる。

独りで活動していたら、なかなか獲得が難しいだろう。



ンラインシンジケート

ほかの投資家と組むというアイデアは気に入ったけれども、
従来型の投資グループの義務や責任はいやだということであれば、
別の方法もある。

AngelListのようなオンラインシンジケートは、
富裕層(HNWI)が年間手数料もミーティングもなく
一緒に働くことを可能にしている。

こういったシンジケートはまた、
多額の現金を用意できない人にとっても魅力的だ。

特定のビジネスにたった1,000ドルの資金で参加することができ、
エクスポージャーのリスクを大幅に低減することができる。

通常、「リード・インベスター」と呼ばれる投資家は
総投資額のうち相当額(多くの場合、約20%)を投じ、
他のシンジケート会員はより少ない金額で参加できる。

リードは取引におけるより重要な役目を担うため、
ほかの投資家は、リードに対して「キャリー」と
呼ばれる投資の利益の一部を支払うことになっている。

シンジケートのなかにはかなり広い範囲の取引を
扱うものもあれば、特定の業種(テクノロジーや
ヘルスケアなど)を扱うものもある。

ほかの投資家と繋がりたい人は、
エンジェルキャピタル協会のウェブサイトから
スタートするのがよいだろう。

そこには、米国各地のオンライングループや
従来型のグループの便利なディレクトリ
がある。 



とめ

あなたがエンジェル投資のルーキーなら、
取引に関してパートナーシップを組むことができ、
デューデリジェンスを手分けできる
グループに参加することは多大なメリットがある。

またオンラインシンジケートでは、
アーリーステージ投資のチャンスを得るために
ほかのメンバーと対面して会わなくてもよい。 

さらなる洞察のために、次回は
「どんな人がエンジェル投資家になれるのか」
というテーマで執筆しようと思う。