junkbond




ジャンク債(ジャンクボンド、ハイイールド債、高利回り債)について
非常によく知られている点のひとつとして、
2008年のような不況やリセッションにおいて現れる
マーケット環境にとくに弱いということがある。

多くの研究で明らかにされたように、
マーケットにおけるストレスに対するこの脆弱性は、
たしかに投資適格債よりもジャンク債市場のほうが顕著である。

この現象は説明に難くない。

経済が弱まるにつれ企業が資金を確保する機会が
ますます乏しくなり、減った機会への競争は激しさを増す。

このような債務を借りる企業の能力も低下し始める。

こういったすべての条件は、マーケットがストレスを経験すればするほど、
企業は破産や最悪のシナリオを経験することを意味している。


もちろん投資家はこのことを認識している。

当然、ポートフォリオにおけるもっともリスクが高い債券
を売却しはじめる。

これは現金預金比率がもっとも悪い企業の問題を悪化させる。

高利回り債の需要が枯渇することで需要と供給の法則が
はっきりと分かり、
発行体が必要な投資を確保し続けるためには価格を下げざるをえない。



ャンク債のクラッシュ

いわゆるジャンクボンド市場というのは、
おもに過去35〜40年までのことをいう。

1970年代になってこの種の債券が普及しはじめ、
それらを債務証券として使う多数の企業が
新たな発行者クラスとして現れた。



S&L危機(1980年代)

ジャンク債は有名になる過程で、なんども壁にぶち当たっている。

最初の大きな問題は1980年代の悪名高きS&Lスキャンダルだ。

当時、S&L企業はジャンク債に過度な投資をしており、
最終的にその後10年と1990年代におけるジャンク債のパフォーマンス
の大きなクラッシュにつながった。



利回り債市場の崩壊(1989年)

ジャンクボンド市場は1980年代に飛躍的に成長し、
1979年の100億ドルから1989年には1890億ドルに達した。

実に毎年34%以上の増加となった。

この10年間、ジャンク債利回りは平均14.5%、
デフォルト率は2.2%、マーケット全体での年間総利回りは13.7%だった。

しかし1989年にはルドルフ・ジュリアーニをはじめとする政界の動きや、
高利回り債の台頭に先立って企業の信用市場を支配していた人々が
マーケットを一時的に崩壊させ、ドレクセル・バーナムの倒産を招いた。
(ちなみにジャンク債の帝王といわれたドレクセル・バーナムの社員
マイケル・ミルトンがモデルとなっているのが、かの有名な映画
「ウォール街」のゴードン・ゲッコーである。)

この変化は24時間もかからず、基本的に新しいジャンク債は市場から
消滅し、約1年間は回復しなかった。

この結果、投資家はハイイールド市場で4.4%の純損失を計上した。

これは、10年以上の間ではじめてのマイナスのリターンだった。



ットコム崩壊(2000〜2002年)

90年代後半の「ドットコム」ブームのとき、高利回り債券を使って
資金を調達した多くの企業は失敗に終わった。

それとともに、ハイイールド市場は純利益の面で
最悪の方向に転じることとなった。

このクラッシュは、マーケットに破壊工作を行う者や、
たちの悪いS&L投資家のような者によって
引き起こされたのではない。

グローバル市場にリーチできる能力によって
インターネットが”約束”した莫大な利益を夢見た
投資家によってこのクラッシュは起こったのだ。

投資家たちが堅実な計画ではなく、
アイデアに資金を投じた結果、
マーケットは萎縮した。

しかしひとたびこの過ちが解消されると、
投資家はハイイールド市場のより堅実な
選択肢を取り戻し、すばやく回復することができた。

2000〜2002年のあいだ、マーケットのデフォルト平均は9.2%で、
1992〜1999年の期間のほぼ4倍だった。

この期間中、平均トータルリターンはデフォルトや倒産が
未曾有の数に達した2002年に0%まで落ち込んだ。



2007〜2009年の金融危機

サブプライム問題が勃発したとき、
危機に伴う「不良資産」の多くは、
高利回り社債と結びついていた。

ここでのスキャンダルは、
サブプライムやハイイールド債が
「ジャンク格」ではなくAAA格債として
販売されたことから生じている。

危機が発生したとき、高利回り債の価格は下落し、
利回りが急騰した。

ハイイールド債や投機格債への最終利回り(YTM)は
この間に20%以上上昇した。

結果はといえば、ジャンク債のデフォルトの最高件数を更新し、
平均市場金利は2009年の第3四半期に13.4%となった。



とめ

今回見てきた崩壊、ジャンク債市場や流通市場への
打撃にもかかわらず、マーケットは常に回復するようだ。

発行体は今後も、特定の投資家グループや個人投資家が
喜んで買う高利回り債券に変わり続けるだろう。

ジャンク債の永続的な強みは、企業の資本への不変のニーズと、
投資適格債よりも高い投資収益率を求める
投資家の不変の欲望に基づいているのだ。