※前回の記事の続きです。
4. 英国ポンド(GBP)
英国ポンドは、スターリング・ポンドやケーブルとしても知られ、
外国為替市場で4番目に多く取引されている通貨だ。
また、ほかのグローバル通貨と比べた相対価値により、
大きな準備通貨としても機能している。
英国は少なくとも、2019年3月に予定されている脱退までは
欧州連合(EU)の正式加盟国だ。
だがポンドにおける歴史的な誇りと、国内金利のコントロールを
維持するためといった理由でユーロを公式通貨として採用しなかった。
こういった理由から、GBPは英国でのみ見ることができる。
FXトレーダーは、英国経済の全体的な強さと政府の政治的安定を
価値の基準として用いている。
ほかの通貨と比べて高価値なため、GBPは多くの国にとって
重要な通貨ベンチマークであり、為替相場におけるとても
流動的な構成要素としても機能している。
5. カナダドル(CAD)
ルーニー(loonie)としても知られているカナダドルは、
原油や貴金属、鉱物などのコモディティー市場と歩調を
合わせる世界一のコモディティー通貨だ。
カナダはそのようなコモディティーの輸出がとても多いので、
CADはとくに原油の原価格の変動でとても変動が大きくなる。
トレーダーはしばしば、これらのコモディティーの変動で
投機するためにCADを取引したり、それらの対象契約を
ヘッジしたりする。
さらに、米国という世界最大の消費者基盤に隣接しており、
カナダ経済やカナダドルは、米国経済の強さや米ドルの動き
とも大きく相関している。
6. スイスフラン(CHF)
リストの最後はスイスフランだ。
スイスフランは、まさにスイスのように多くの人が
『中立な』通貨とみなしている。
より正確にいえば、スイスフランは主に外国為替市場における
安全な避難先としてみなされている。
これは米国債とともに、カナダドルやオーストラリアドルなどの
変動の大きいコモディティー通貨とマイナスの相関関係にあるためだ。
スイス国立銀行は外国為替市場でかなり活発なことが知られており、
ボラティリティを縮小し金利を維持するために、
フランは比較的せまい範囲で取引されている。
ここまで見てきたようにすべての通貨は、外国為替市場における
ほかの通貨と比べて、その基礎価値および価格変動に影響を与える
特定の機能を備えている。
なにが通貨を動かすかや、なぜ動いたのかを理解することは、
外国為替市場における成功者になるための重要なステップだ。