overwhelmed-business-owner-800x533




ビジネスを始めることは多くの起業家にとって大きな成果ではあるが、
それを維持することはもっと大きな課題だ。

大小にかかわらず、あらゆるビジネスが直面する課題がそこにはある。

適切な人材の雇用、ブランドの確立などなど。。

しかし、そこにはスモールビジネスに特有のものがいくつかあり、
ほとんどの大企業もずっと昔にそこから脱皮している。

スモールビジネスにとっての5つの大きな課題を知っておくことは、
これから起業したい、もしくは起業したけれども
あまりうまくいっていない方にとって有益だろう。

ぼく自身がビジネスを開始した10年前に知りたかったことをまとめた。



1. クライアント依存

もし所得の半分以上が単独のクライアントからもたらされているなら、
あなたはビジネスオーナーというよりも独立した請負業者だ。

顧客のベースを多様化することはビジネスの成長にとって不可欠だが、
顧客が期日通りに支払わなかったり、満額支払わなかったりすると特に
難しくなる。

多くのスモールビジネスにとって、商品やサービスへの支払いを期日通り
にしっかりとしてくれるクライアントをもつことは天の恵みのようなものだ。

残念ながら、従業員などがいたとしても、大企業の下請け業者として
働いていると、長期的なハンディキャップにつながる。

この構造により、クライアントはいつ仕事がなくなるかわからない部分に
人件費を抱えるリスクを避けることができる。

こういったリスクはすべて大企業からあなたやあなたの従業員に
移転される。

主なクライアントがあなたの製品やサービスにたいして一貫したニーズが
ある場合には、この方法はうまくいく。

しかし一般的には、あるクライアントが支払いをやめたとき、
それを補うために多様な顧客ベースをもつことはよいことだ。



2. 金銭管理

請求書を支払うための十分なキャッシュをもつことは
どんなビジネスにとっても欠かせないものだが、それはすべての個人
にとっても同じことだ。

あなたのビジネスであろうと人生であろうと、
お互いに資本が流出する原因になってしまうかもしれない。

この問題を避けるには、スモールビジネスオーナーはたくさんの資本金を
積むか、緊急時の手元資金を増やすための余分な収入を稼がなければならない。

これが、創業者が雇われ仕事とビジネスの構築を同時に行う理由だ。

一点集中できないことはビジネスを成長させることをむずかしくする
かもしれないが、キャッシュが尽きればそれでゲームオーバーだ。

一方、ビジネスやそのオーナーにしっかりとキャッシュフローがあるときほど、
マネーマネジメントは重要になってくる。

会計や税金を処理することはほとんどのビジネスオーナーの守備範囲
かもしれないが、普通はプロに頼るのがよいアイデアだ。

従業員やクライアントが増えるほど帳簿の複雑さも増すので、
簿記についてアシストを得ることはビジネス拡大を助けてくれる。



3. 疲労

長時間労働や、絶え間なくつづくパフォーマンスへのプレッシャーは、
たとえもっとも情熱的な人間でもストレスはかなりのものになる。

多くのビジネスオーナーは、成功した人であっても、
従業員よりもずっと長い時間働いている。

自分が不在のときにビジネスが失速する恐れがあるため、
仕事から離れて充電することを避けがちだ。

この疲労というのはかなりのクセもので、完全に放棄してしまいたい
というような自暴自棄な欲求もふくめて、軽率でザツな意思決定に
つながってしまうことがある。

オーナーをすり減らしすぎることなくビジネスを盛り上げる”ペース”
というものをつかむことは、スモールビジネスの進化における早期の課題だ。



4. 創業者依存

もしあなたが車にひかれたとして、
翌日もあなたのビジネスは収入を生むだろうか?

創業者なしでは成り立たないビジネスは、
ゴーイングコンサーンになることはできない。

多くのビジネスが創業者依存で苦しんでおり、
この依存はビジネスの成長につれて創業者が
意思決定や経営責任から離れることが
できていない状態のときに引き起こされる。

この課題に対処するのは理論的には簡単だ。

ビジネスオーナーは、従業員やパートナーにたいして
より多くの決定権を与えればいいだけだ。

しかし現実には、これは創業者にとって大きな障害となる。

なぜなら通常は、作業にあたる人間が要領を得るまで、
作業のクオリティーを(少なくとも最初のうちは)妥協する必要があるからだ。



5. 質と成長のバランス

たとえビジネスが創業者依存に陥っていない場合でも、
成長からくる諸問題が利益を上回ってしまう時がくる。

ある時点では、サービスでも製品でも、規模を拡大するためには
ビジネスを犠牲にしなければならない。

これはすべての顧客リレーションシップを個人的に管理したり、
すべての製品品質を点検することができないということだ。

残念だが、エンゲージメントやディティールへのこだわりのレベルが、
ビジネスの成功の半分を担っているといっても過言ではない。

なので、多くのスモールビジネス経営者は、こういった習慣にしばられて
ビジネスの成長を損なってしまう。

手抜きの仕事と品質への異常なこだわりの間には大きな中間地点がある。

ブランドを傷つけることなく規模の拡大を許すという妥協に向けて、
ビジネスのプロセスを舵取りすることは、ビジネスオーナーの手腕次第となる。



前もって課題を考えずにスモールビジネスを始めることは、
ビジネスオーナーが犯してしまう最悪なことのひとつだ。

これらの課題を少しでも簡単にするための方法を見てきたが、
回避することはできないのが現実だ。

さらにいうと、人間がもつ競争性は人々がビジネスを始める理由のひとつになるが、
見てきたすべての課題はまた別の競争の機会を意味する。

つまり、差別化のチャンスでもあるということだ。