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リスクマネジメントは成功するトレーダーに不可欠だが、
よく見落とされる。

結局のところ、適切なリスクマネジメントが採用されていない場合、
生涯利益がプラスのトレーダーでもたった1つか2つの悪いトレードで
すべてを失う可能性がある。

この記事ではトレードの利益を守るために
利用できる簡単な戦略について説明していこう。



レードを計画する

中国古代の武将、孫武は「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求める」といった。

このフレーズは、戦いそのものよりも、計画や戦略が
戦争の勝利に繋がることを暗示している。

同様に、成功したトレーダーは、「トレードを計画し、計画をトレードしろ」
というフレーズをよく引用する。

戦争のように、事前の計画というのは成功と失敗の違いを意味するほどなのだ。

まず初めに、あなたのブローカーが頻繁な取引に適しているかを確認しよう。

一部のブローカーはまれにしかトレードしない顧客向きだ。

彼らは高い手数料を取り、アクティブなトレーダーにとって
適切な分析ツールを持っていない。

損切り(S/L)と利確(T/P)ポイントは、トレーダーが事前に計画できる
ふたつの重要な点だ。

成功しているトレーダーは、買うべき価格と売るべき価格を知っており、
価格が目標値に達する可能性に対してのリターンで結果を測る。

もし調整されたリターンが十分に高ければ、トレードを実行する。

逆に、成功していないトレーダーは損切りや利確のポイントを考えずに
トレードをしてしまう。

幸運が続いたり、はたまた不運が続くギャンブラーのように、
感情が支配し始め、トレードに影響を及ぼす。

含み損はトレーダーに、回復すると願わせてホールドさせるし、
含み益はさらなる利益を願わせて、軽率なホールドにつながる。



切りと利確のポイント

損切りポイントとは、トレーダーがポジションを売却し、
損失を確定させる価格のことだ。

多くの場合、トレードが望んだ展開にならない場合に起こる。

このポイントは、「値が戻ってくる!」という心理を防ぎ、
エスカレートする前に損失を限定するように設計されている。

たとえば、もしレートが主要なサポートレベルを下回った場合、
トレーダーはできるだけ早く売却することが多い。

テーブルの反対側、利確ポイントとは、トレーダーがポジションを売却し、
利益を確定させる価格のことだ。

さらなる上昇がリスクによって制限されることが多い。

たとえば、もしレートが大きく上昇したあと、主要な抵抗水準に近づいている場合、
トレーダーはポジション整理期間になるまえに売却することが多い。



切りポイントを効果的に設定する方法

損切りや利確ポイントを設定することは、テクニカル分析が使われることも多いが、
ファンダメンタル分析も大切な役割を演じる。

たとえば、もしトレーダーが好業績が期待されている株を保有していて、
市場の期待が大きくなり過ぎていた場合、利確ポイントに到達しているかに
かかわらず、ニュースが市場に出るまえに決済するかもしれない。

移動平均線は、計算が簡単で市場を幅広く追跡しているため、
これらのポイントを設定するうえでもっとも一般的な方法だ。

主な移動平均線には、5、9、20、50、100、200などがある。

これらは株式のチャートに適用され、過去に価格が支持または
抵抗水準として反応したかどうかを判断することによってベストな設定となる。

ほかの損切りや利確ポイントを置く優れた方法は、
サポートや抵抗のトレンドラインだ。

これらは以前の目立った、平均出来高以上の高値や安値を
結ぶことによって描かれる。

移動平均線と同様に、キーとなるのはトレンドラインに反応する水準を
決めることだ。もちろん、大きな出来高もだ。


これらのポイントを設定するとき、以下の点を考慮する必要がある。

・よりボラタイルなトレード対象については、意味のない価格変動が損切り
 オーダーを発動する可能性を減らすために、長期移動平均を使用

・移動平均を目標価の範囲に合うように調整する:たとえば、より長いターケットは
 、生成されるシグナルの数を減らすために、より大きな移動平均を使う必要がある。

・損切りは、現在の高値から安値の範囲(ボラティリティ)の1.5倍以内に置くべきではない。
 これは理由のない無駄な損切りを防ぐため

・市場のボラティリティに応じて損切りを調整する。レートがあまり動かない場合、
 損切りポイントをタイトにできる。

・ボラティリティや不確実性が高まる可能性があるため、業績発表などの
 よく知られたファンダメンタルのイベントをトレードから出入りする主要ポイントにする。



待リターンの計算

損切りと利確ポイントを設定することは、期待リターンを計算するうえでも必要だ。

トレーダーにトレードについて熟考させ、合理化させるので、
この計算の重要性は計り知れない。

また、さまざまなトレードを比較し、もっとも収益性の高いものだけを
選択する体系的な方法も与えてくれる。


期待リターンは次の式で計算できる。

[(Probability of Gain) × (Take Profit % Gain)] + [(Probability of Loss) × (Stop Loss % Loss)]


この計算の結果は、アクティブなトレーダーにとっての期待リターンになる。
どのトレード対象を取引するかを決める際に、期待リターンを測る。

損益の確率は、サポートや抵抗の水準からの過去のブレイクアウトやブレイクダウン
を使うことによって計算できる。



トレーダーはつねに、トレードを実行するまえに
エントリーとエグジットの計画を立てるべきだ。

効果的に損切りを使うことで、トレーダーは損失を最小限にできるだけでなく、
不要なエグジットの回数をも最小限にできる。

結論として、もうすでに戦いに勝ったと知るために、事前に戦略を立てようということだ。