スマートフォンなしで買い物をしたことがない。
両親や祖父母とは根本的に異なる購買習慣。
次なるブームを捉えるとき、広告ではなく仲間を頼る。
ーこれが、ミレニアル世代だ。
1981年から1996年の間に生まれた世代(ぼくもそうだ)で、
最近ピュー・リサーチ・センターによって具体化された。
今日の企業は、大きな売上をあげたければ
彼らに注目するべきだと学んでいる。
何が最大の問題なのか?
Y世代ともよばれるミレニアル世代は、人工の4分の1以上を占める。
これは非常に大きな購買力だ。
米国商工会議所は、彼らがすでに年間約2兆円を商品やサービスに費やしていると推定している。
相互評価
Y世代とその前身との最大の違いは、
情報やオピニオンのためにピアネットワークを頼っている度合いだ。
何十年ものあいだ、大手ブランドは消費者の購買における
意思決定を裏で糸を引いていた。
TVや印刷広告に費用をかけるほど、市場シェアを獲得することができた。
これらは若い買い物客とともに一変している。
ある調査では、わずか1%のミレニアルが、
宣伝広告によってブランドへの信頼が高まったと答えている。
そのかわりに彼らは、
友人、家族、オンラインレビューなどのソースに目を向けている。
ケルトン・リサーチが行った調査によると、この世代の84%が、
ユーザーによるコンテンツ(レビューなど)で意思決定しており、
その多くは自分で製品レビューも書く。
その結果、マーケターの役割が変わり始めている。
メッセージをダイレクトに投げかけるよりも、
彼らは会話のファシリテーター役を務めている。
オンラインショップのModClothにアクセスしてみよう。
ModClothは、商品のユーザーレビューに特色がある。
これは、企業にとってあまり良くないレビューが投稿される可能性も意味する。
しかし若くてシニカルな消費者の心には、ModClothの信頼を確立するのに役立つ。
このサイトでは、衣服を着ている顧客の写真も掲載されている。
コミュニティへの働きかけ
ミレニアルはソーシャルメディアとの親和性も高いので、
そこに顧客とのより深い双方向関係を構築する機会を見出した企業もある。
たとえば、コカコーラは昨年、名前付きソーダ缶を販売したあと、
Twitterでハッシュタグ #shareacokeを使って
自分の写真やコメントをシェアするよう呼びかけた。
Clean & Clearブランドのスキンケア製品の
親会社であるジョンソン・アンド・ジョンソンも、
ソーシャルプラットフォームを通じて顧客の関与を促進しようとしている企業だ。
昨年、10代のミレニアルがYouTubeに参加し、
アクネを扱った経験を共有するキャンペーンを開始した。
このキャンペーンは製品ラインへの期待を盛り上げただけでなく、
この年齢層の多くが価値を感じる、コミュニティ感覚やリアルな体験をも生み出した。
モバイルへの転向
スマートフォンは現在すべての年齢層に行き渡っているが、
最大のユーザーはY世代に属している。
2014年のニールセンの調査によれば、
18〜34歳のアメリカ人の85%以上が少なくとも1台所有している。
そして他のどの年齢層よりもデバイスを使用している。
平均的なミレニアルは、1日に45回スマートフォンに触れるという調査結果もある。
この傾向は企業に対して、若い消費者を呼び込むために、
モバイルからのアクセスをさらに強くする必要を迫っている。
これは、消費者が製品を簡単に調べたり買ったりすることができる
モバイルフレンドリーなウェブサイトを作成することを意味している。
10代や若い消費者のモバイルデバイスの普及は、店内購入にも影響を与える。
デジタルマーケティング戦略会社のアナレクトによると、
ミレニアル世代の大半はスマホを使って価格を比較し、通路を歩き回ってクーポンを探すのだ。
さらなる多様化
企業が見落としがちなポイントとして、ミレニアル世代は、
おそらくアメリカの歴史において最も多様な世代だということがある。
米国商工会議所によると、「ヒスパニックではない白人」18〜29歳の人口はわずか60%。
30歳以上の回答者のうち、その数は70%である。
さらに、Y世代の人々はさまざまな家族背景を持っているので、
上の世代よりもジェンダーの役割により積極的に取り組む傾向がある。
伝統的な核家族のイメージ(母親、父親、子供二人、同じ人種)には、
共感しない。
結果として、万人向けにアプローチするマーケティングは側道に追いやられた。
関係を維持するために、企業は市場を分割している。
つまり、人口統計、ライフスタイルの選択肢、消費者それぞれの価値観など。
これらの違ったターゲットに向けたキャンペーンやアプローチを採用している。
米国だけで8000万人以上いるミレニアル世代は、キーを握る消費者セグメントだ。
企業はこのとても多様でテクノロジーに精通した年齢層に
どのようにアピールするかを今も模索している。
彼らが成熟し、キャリアが進むにつれて、影響力や購買力は増加する。
ミレニアル世代からの信頼を得ることは、たくさんのインセンティブがあるのだ。