取引の少ないスモールビジネスでは、Excelを会計ソフトウェアの代わりとして使用できる。
Excelには、総勘定元帳(GL)の作成と管理に必要なすべてのツールがあるが、
会計の基本への理解、細部への注意力が求められる。
会計ソフトへの投資にリソース的不安があったり、
準備が整っていないビジネスオーナーにとって
Excelは会計ソフト導入までの会計記録として適している。
Excelを総勘定元帳として使用する
シンプルな記録保持の設定としてはまず初めに、
取引日、取引内容の説明、請求書や小切手の参照番号の列を含める必要がある。
次の列には、年度内に使用される勘定科目が並ぶ。
あとで戻って変更するのは難しいため、勘定科目の選択は慎重に。
左から順に、最初の勘定科目は収入で始まり支出で終わる損益計算勘定にすべきだ。
次は資産勘定、負債勘定、最後にすべての資本勘定。
総勘定元帳では、会社のすべての取引を追跡できるよう複式簿記を採用しており、
ExcelをGLとして使用する前に、複式簿記の概念をしっかりと理解することが重要だ。
複式簿記とは
これが新しい会社であれば、最初の取引は会社に投資される資本になるだろう。
一例として、タクヤという起業家が機械工場を開業すると決めたとしよう。
彼はビジネスを始めるために7,500万円の貯えがあり、
その資金でビジネス当座預金口座を開設。
複式簿記の考え方を利用して、タクヤはこの取引が会社の現金勘定(借方計上)を増やし、
株主資本勘定(貸方計上)を増やすことで相殺されることを知っている。
このExcelシステムでは、すべての借方計上は正の値として記入され、
すべての貸方計上は負の値で記入されなければならない。
この例では、タクヤは取引日とスプレッドシートの最初の行に
「設備投資」などの説明を入力する必要がある。
その後、スプレッドシートの現金勘定に7,500万円を入力、
株主資本勘定に-7,500万円を入力する。
数値を検証するために、タクヤはSUM関数を使って、
各行のすべての入力の合計がゼロになるようにする必要がある。
そこから、各取引の行を入力し続けていく。
彼が会社の現金で機器を購入した場合、機器勘定に借方、
現金勘定に貸方を示す取引を入力する。
顧客に機械加工サービスを販売する場合、
収入勘定への貸方、株主資本勘定への借方を記入する。
さいごに、各勘定列の合計をスプレッドシート下部で合計する必要がある。
すべての収入勘定を合計して現在の純利益を計算することができる。
必要に応じて、総資産、総負債、総資本など他の列を設定することもできる。