バイオテクノロジーは非常にリスキーなビジネスだ。
多くのバイオテクノロジー製品は一貫して望んだ結果を出すことができず、
他の製品は市場で受け入れられない。
そしてもちろん、バイオテクノロジー製品がひとたび成功すると、
投資家には巨大な利益がもたらされる。
安定した実績を持ち、妥当な成長見通しをもつ企業を探せば、
ジェットコースターに乗らずに済む。
バイオテクノロジービジネスに内包されているようなドラマに
遭遇できる可能性を秘めながら、投資家に信頼できるリターンをもたらす企業がある。
2018年の残りの月に成長が見込める5つのトップバイオテク株を選択した。
すべての数字は2018年9月5日現在のものだ。
Celgene Corporation(CELG)
セルジーンは、ガンや炎症性疾患に重点を置いている。
同社は独自の製品を開発するだけでなく、
他の大手製薬メーカーと共同で製品を市場に投入している。
直近の四半期では、売上高、営業利益ともに着実に増加。
セルジーンは安定した企業であるが、バイオテクノロジー部門が高いリスクだ。
株式は2017年10月に急落。
クローン病治療の研究を中止、予想を下回る第三四半期の業績を発表し、月に30%以上下落した。
2018年上半期は引き続きダウントレンドで、
5月下旬に75ドルを下回ったが、株価は現行の92ドル水準まで約23%回復した。
セルジーンの長期的な実績を考えると、年初来の精彩を欠いたパフォーマンスは
買い場を意味するのかもしれない。
平均出来高:5,664,468(約6億3000万円)
時価総額:648.33億ドル(約7兆2200万円)
PER(TTM):25.64
EPS(TTM):3.60ドル(約400円)
配当と利回り:なし(なし)
Gilead Sciences, Inc.(GILD)
ギリアドは5年間で約30%成長している。
同社はHIV治療の牽引役であり、C型肝炎の治療薬が成功している。
2017年9月初めに大きな出来高を伴ったブレイクアウトがみられ、
2018年1月末までに52週間の高値、90ドル近くに達した。
その後、2月初旬には株価が下落し、4月には第1四半期の業績が不調に終わったため、
さらに大幅に下落したが、現在は74.53ドルに回復。
最近の株価の変動は、いくつかのギレアド製品を取り巻く不確実性、
C型肝炎治療薬の売上減の懸念が関係している可能性があるが、
ポジティブな側面ではHIV「ショック・アンド・キル」治療の開発初期段階にあることだ。
平均出来高:6,550,806(約7億2800万円)
時価総額:966.16億ドル(約10兆7400万円)
PER(TTM):44.52
EPS(TTM):1.67ドル(約180円)
配当と利回り:2.28ドル(3.01%)
Exelixis, Inc.(EXEL)
エクセリクシスはガン治療の企業だ。
腎臓がん治療に有効な抗腫瘍薬などが主。
この会社は収益において常にポジティブなサプライズを市場に提供してきた。
2018年2月下旬の第2四半期の収益が精査を欠き、急落したが、
その後数カ月は利益を上げようと努力しており、現行の18.94ドル水準で落ち着いている。
同社は昨年、武田薬品(TKPYY)とライセンス契約を結び、投資家を喜ばせた。
また最近、肝臓がん治療のための第三相試験であるカボザンチニブの調査結果を発表。
平均出来高:4,196,465(約4億6600万円)
時価総額:56.54億ドル(約6200億円)
PER(TTM):18.37
EPS(TTM):1.03ドル(約110円)
配当と利回り:なし(なし)
Enzo Biochem, Inc.(ENZ)
エンゾはガン、糖尿病、心臓血管疾患および感染症の治療法を提供している。
去年の6月下旬から、今年も引き続きダウントレンドだ。
同社は最近、ニューヨークのファーミングデールに新しい施設を取得し、
診断事業の成長促進に期待している。
約2億1,500万ドルの時価総額から分かるとおり、
エンゾは今回の企業リスト上でもっとも小さい会社だ。
ただでさえボラティリティーの高い業界の中でも、
さらなるボラに見舞われる可能性がある。
平均出来高:146,326(約1600万円)
時価総額:215.076百万ドル(約239億円)
PER(TTM):なし
EPS(TTM):-0.09ドル(約-10円)
配当と利回り:なし(なし)
AbbVie Inc.(ABBV)
AbbVieは自己免疫疾患を治療するヒュミラのメーカーだ。
同社はまた、白血病やC型肝炎などの治療薬や、HIVを抑制するその他の治療薬も提供している。
さらに、テストステロン置換療法に関与し、多発性硬化症のための薬を有する。
AbbVie株は2017年9月に急騰し、その月末にAmgen Inc.(AMGN)との紛争を解決、
競合他社のHumiraのバイオシミラー版の発売を延期することに成功した。
年初は125ドルをこえたが、2018年7月にリンパ腫治療のための
イムブルビカの試験で市場の失望を誘う結果を発表し、
95ドルをわずかに上回る現在の水準まで下落した。
平均出来高:6,208,189(約6億9000万円)
時価総額:144.13億ドル(約1兆6000億円)
PER(TTM):23.63
EPS(TTM):4.03ドル(約440円)
配当と利回り:3.84ドル(4.06%)
バイオテクノロジー部門はリスクを伴うものの、
合理的な成長見通しをもつ堅実な企業を見つけることは可能だ。
このリストのすべての企業は、業界の浮き沈みに耐えてきた。
そして2018年残りの段階で、トップに躍り出る準備が整ったようにみえる。