
リスクニュートラルとは
リスクニュートラルとは、投資判断を行う際にリスクに無関心である考え方のことだ。
リスクニュートラル投資家は、一方のリスクを求める投資家と
他方のリスク回避投資家に代表されるリスク・スペクトラムの真ん中に位置する。
リスク中立測度は、デリバティブの価格設定に広範に適用されている。
リスクニュートラルは、お金の配分を決定する際の人間の精神的枠組みを説明する言葉だ。
たとえば、2つの投資機会が与えられた場合、
リスクニュートラル投資家は各々の投資の潜在的な利益のみ検討し、
潜在的なダウンサイドリスクは無視する。
したがって、リスクニュートラル投資家にとっては、投資の期待収益のみが関心事だ。
人のリスク愛好を定義する古い実験に、
100%の確率で1万円か50%の確率で2万円かの選択に迫られた投資家というものがある。
リスクニュートラル投資家はいずれも1万円の期待値が同じであるため、
どちらか一方の選択肢を好むということはない。
対照的に、リスク回避投資家は「確実なもの」や100%の1万円に落ち着き、
リスク愛好投資家は50%の確率で200ドル得ることを選択する。
投資とビジネスにおけるリスクニュートラル
リスクニュートラルは、
・まだ利益を上げていないが、短期間に大きなキャピタルゲイン
を見込んだ高成長のテクノロジー企業
・ハイテク株のような潜在的なポテンシャルはないが、
ディズニーのような、安定した収益、利益、配当を持つ成熟企業
といったような2つの投資を決断することだ。
投資家は分析を行い、テック企業には株価が倍増する確率は50%、
急激に値が下がる可能性は50%になると推測している。
成熟企業は、70%で価格安定性を維持し、
四半期配当を出し、翌年に無配当の可能性はわずか30%だ。
投資家がリスクニュートラルであることを考えると、
テクノロジー株はより高い潜在的利益をもたらす。
よって彼は、成長企業に投資することを選ぶのだ。
さらに、人は起業するとき、リスクニュートラルになる可能性がある。
起業に伴うリスクは高いので、
リスク回避型の人はビジネスを進めることを選択しない。
リスクニュートラルな人は、起業することの利点を実用的に見ている。
予想される利益が十分に高い場合、彼はビジネスを開始することを選び、多数のリスクを無視するのだ。