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お金のこととなると、人間は必ずしも合理的なわけではない。

実際、投資家にとって有害な金銭に関する認知バイアスがある。

これらのバイアスは、富を築くうえでできる最善の選択を狂わせる。

多くの場合、以下の6つのバイアスによってその決定がマイナスの影響を受けているとは気づかない。



自信過剰
このバイアスの影響を受けると、自信のレベルと自己判断の正確さを、
客観的にみた精度よりも高く評価することが多い。

言い換えれば、主観的評価は客観的評価よりも大きい。

このバイアスは、パフォーマンスと結果に
非現実的な見方を持つ投資家を生みだすことになる。

データではなく、自信に頼ることを克服するためには、
自分の判断基準が自分の知識レベルに基づいているのか、
リサーチと事実収集(デューデリジェンス)に基づいているのかを問うことだ。



慣れ
ぼくたちは、前にみたパターンや結果に基づいて、
意思決定の前提としていることがよくある。

たとえば、投資するファンドを選ぶとき、
もっとも慣れ親しんだものや見聞きしたことがあるものから選んだりするのがそうだ。

このバイアスは、分散投資からの利益があるにもかかわらず、
ひとつに固執してしまう投資家を生みだすことになる。

このバイアスを鎮めるためには、
これまでに存在しないパターンを模索する必要性を理解し、
以前には聞いたことのないものについて心を開いておく(オープンマインド)必要がある。



情報オーバーロード
ストレスにさらされているときや、あまりにも多くの情報に襲われているとき、
ぼくたちは自然に対処メカニズムを採用する。

メカニズムのひとつは、問題を単純化することだ。

この戦略の問題は、投資についての知識と理解が少ないほど、
対処できる範囲が狭まるということだ。

このバイアスは、あまりにも多くの選択肢によって
すぐに麻痺してしまう投資家を生みだすことになる。

問題を過度に簡素化するという本来の欲求をコントロールするためには、
利益を刈り取るために必要なことをするよりも、
ただ単に簡単な方法を取っているだけではないことを確かめなければならない。



アンカリング
ひとたび選択肢が提示されると、このオリジナルの情報に固執し、
考え方を十分に調整したり、他の領域の可能性を考えたりすることができない。

これは、情報を選択的にフィルタリングし、
自分の意見を支持するデータばかりを好んでしまうことを意味する。

このバイアスは、他の見方や意見を知らせる情報を探すのではなく、
元の見方を支持する選択肢だけを採用する投資家を生みだす。

このバイアスの克服には、
過去のデータが現在のデータに大きな洞察を
与えることを認識することが重要だが、
歴史的な結論を自動的に採用しないようにする必要もある。



ハーディング現象
このバイアスは、合理的な人々が、他者がしていることに基づいて
判断を制限することによって、非合理的に行動し始めるときに起こる。

人間はしばしば、他者や承認機関の肯定や受け入れ(資格の合格など)を求めるが、
これがぼくたちの判断に色付けを許してしまう。

同じことが、他者がやっていることや聞いたことに基づいて
投資をしてしまうことでも言える。

選択的に他者の意見を求めることをやめるには、
「ノイズ」ではなく、検証可能なデータを探し出すべきだ。

代替案を検討することによって、自分の判断を綿密に調べることができ、
集団が何をしているかだけに基づいていないことを確実にすることができる。



損失回避
損失の経験は、その他の経験よりも強く印象に残る。

プロスペクト理論の進歩:不確実性の累積表現という学術研究論文によると、
過去の利益の気分の良さよりも、過去の損失の気分の悪さのほうを大きく感じる。

ときには、損失への恐れに基づいて意思決定を行い、
潜在的利益を考慮せず、その発生を回避する。

人間は損失を避けるために非論理的になり、望む結果に悪影響を与えることがある。

思考が固まってしまうのをコントロールするには、
計画にはある程度の余地があることを認識し、
統計的には、損失と利得の両方の確率が同じであることを認識することだ。




これら6つのバイアスを理解することによって、
意思決定プロセスへの悪影響を防止するキーを得ることができる。

不合理な行動への人間の本来の傾向を特定し、
バイアスを管理するプランを立てることは重要だ。

良い計画は単にあなたを映し出す。
素晴らしい計画は、目標を達成し、それをさらに超えるための
すべてのステップにあなたを導いてくれる。