トレードにおいて「有事」という言葉は、基本的にトレーダーが予期できないイベントのことを指す。
しかし一部のニュースやイベントは、予定されていてもマーケットを有事のように瞬時に動かすことがある。
その一例として、ギリシャのジョージ・パパンドレウ元首相が2009年後半にギリシャの財政赤字を過小に報告していた。
最終的にこれは周辺国の債務危機につながっていったが、当時は誰もその規模を知る由もなかった。
だから我々トレーダーには "予定されたニュース"と "予期しないニュース"があり、どちらのタイプのニュースだとしても短期的にも長期的にもトレーダーに行動を引き起こさせる。
原則としては、"予定されたニュース”は"予期しないニュース"よりも相場を動かさないものの、価格動向の分析はより複雑で難しくなりうる。
肝心かなめの問題は、ニュースの影響がどれくらい続くのかということ。
トレードの格言では
"Buy on the rumor, sell on the news.”
噂で買って事実で売れ
というのがあるが、これは株取引のようにFXでも同様だ。
株では、価格はアナリストによる好業績見通しで上がるが、業績が期待を上回った場合でも発表後に落ちたりする。
FXでも同じことが起こる。
中央銀行の利上げが市場コンセンサスとなっていれば利上げに先がけてその通貨は買われるが、実際に予想通りの利上げ発表がされたとしても売られたりするのだ。
これは直感に反するようだが、正しいポジションを前倒しでとったトレーダーは「その時」にはもう利確しているということを意味している。
したがって、大きなニュースやイベントに先立ち、絶対的な確信とともに自分のポジション保有期間を決めておく必要がある。
もし利上げが市場コンセンサスとなっている通貨でロングポジションをもちつづけ、実際に中央銀行がレートハイクを行った場合、きたる下落に耐え、下落を受け入れるためのストップロスの注文が必要だ。
思ったより長くなったので、次回は「中央銀行」についてさらに詳しく書いていこうと思う。